
日本の保健当局は、東京オリンピック開催まであと109日となった時点で、コロナウイルスの変異種がパンデミックの第4波を引き起こしていることを懸念している。
また、変異種はより感染力が強く、日本ではまだ普及していないワクチン接種にも耐性がある可能性がある。大阪では先週、感染者数が過去最高を記録したため、大阪府は月曜日から1ヶ月間、対象を絞った封鎖措置を開始することとなった。
英国で初めて発見されたCOVID-19の変異株が大阪地域で定着し、原種のウイルスよりも急速に広がり、病院のベッドが重症者で埋まっていると、政府のパンデミック対策アドバイザーである和田耕治教授は指摘する。
東京の国際医療福祉大学の和田教授は、「第4波はこれまでより大きなものになるだろう」と述べた。「我々は、大阪が採用したターゲットを絞った対策を東京エリアにどのように活用できるかの議論を始める必要がある」
日本では、昨年2回にわたり、日本のほとんどの地域を対象とした緊急事態宣言が出されている。また最近では、正月明けにパンデミックの第3波が発生し、多くの死亡者を出している。当局は現在、地方自治体が営業時間を短縮したり、違反した場合には罰金を科したりできるように、より的を絞った対策を選択している。
大阪ではオリンピックの聖火リレーが中止されたが、菅義偉首相は、日本は予定通り大会を開催すると主張している。菅首相は日曜日、大阪で採用された対策は、必要に応じて東京やその他の地域でも採用されると述べた。
東京では月曜日に249例の新規感染が報告されたが、これは1月のピーク時の2,500例以上を大きく下回っている。大阪では、土曜日に666例の感染が報告され、過去最高を記録した。
COVID-19の陽性症例のうち、変異株の発見に必要なゲノム調査が行われるのはごく一部にすぎないため、変異株がどの程度存在するのかは不明のままである。
厚生労働省が先週発表した報告書によると、イギリス、南アフリカ、ブラジルからの変異型が全国および空港で678例発見され、その中でも大阪府とその隣県である兵庫県に集中して見つかっている。
しかし、E484Kと呼ばれる別の変異株がより広く普及している可能性がある。先月、東京医大病院で検査を受けたコロナウイルス患者の約70%が、英国や南アフリカのものとは異なる変異株にり患していたと、日本の公共放送局であるNHKが日曜日に公表した。
内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室の下荒磯誠によると、今回の事例は、政府が緊急事態を解除してから数週間後に発生したものであり、現在展開されている重点対策は、予期せぬ変異株の発生を食い止めるためのものだという。
「変異株を検出できていないと言われても、批判を受けるのは当然だ」と同氏は述べた。
ロイター