
北海道に続き、福島県でも東京五輪の競技を一転して無観客で開催することが決まった。内堀雅雄知事は10日、県庁で記者会見し、「苦渋の決断だった」と強調。県内で新型コロナウイルスの感染者が増えていることなどを踏まえ判断したと説明した。一方、「準備が十分ではなかったと率直に思う」と述べ、大会組織委員会の対応に不満も示した。
福島県では県営あづま球場(福島市)で野球とソフトボールの試合が行われる。組織委は当初、首都圏以外の会場について観客を入れて開催する方針だったが、北海道が急きょ無観客に変更。内堀知事は「統一的な対応を組織委に求めてきたが、前提が大きく変わった」と述べた。
東日本大震災や東京電力福島第1原発事故からの「復興五輪」に位置付けられる東京五輪だが、内堀知事は、コロナの影響で「思い描いていた全体像とは違うものになってしまった」と指摘。「テレビやメディアを通じて復興が前に進んでいると実感してもらえることを期待する」と語った。
福島県での無観客決定を受け、サッカーの会場となる宮城県の村井嘉浩知事は10日、「宮城県では有観客を前提に、感染防止対策の徹底を組織委に引き続き強く求めるとともに、試合終了後の直行直帰の呼び掛けなどに取り組む」とのコメントを出した。
時事通信