
新型コロナウイルス感染者のうち、女性の方が男性より倦怠(けんたい)感や味覚障害などの後遺症が出やすい傾向があることが15日、国立国際医療研究センターの調査で分かった。特に倦怠感は約2倍、脱毛は約3倍だった。男女全体では4人に1人が半年後も後遺症に悩まされていた。
同センターは、昨年2月~今年3月に回復患者対象の調査に参加した人に、改めて感染初期の重症度などを質問した。457人の回答を分析した結果、女性の方が後遺症として倦怠感などが出やすいことが判明。倦怠感、脱毛のほか、味覚障害は約1.6倍、嗅覚障害は約1.9倍だった。若い人や、痩せ形の人は味覚・嗅覚障害が出やすかった。
発症から半年後に症状があった人は120人(約26%)で、1年後では40人(約9%)だった。軽症でも後遺症が長く続く人がいたという。
同センターの森岡慎一郎・国際感染症対策室医長は「感染初期では男性、高齢者、肥満が重症化リスクだが、味覚障害などの後遺症は逆だった。理由は分からない」と指摘。「後遺症予防には新型コロナに感染しないことが最も重要。ワクチン接種やマスク着用などの感染対策を徹底してほしい」と話している。
時事通信