
岸田文雄首相は、6月29、30両日にスペインのマドリードで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席する検討に入った。政府関係者が27日明らかにした。実現すれば日本の首相では初めて。ロシアのウクライナ侵攻や覇権主義的動きを強める中国への対応をめぐり、米欧首脳と連携を確認したい考えだ。
首相は6月26~28日にドイツのエルマウで開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)に出席し、その後にマドリードを訪れる方向だ。
4月には林芳正外相が日本の外相としてNATO外相会議に初参加した。NATOは日本、韓国、オーストラリアなどをアジア太平洋の「パートナー国」と位置付けており、6月の首脳会議への出席も打診してきている。
ウクライナ情勢などをめぐり中ロの連携への懸念が高まる中、日本政府は「日NATO協力の流れを加速しなければならない」(政府関係者)として参加に前向きだ。
韓国の尹錫悦大統領も出席が取り沙汰されており、現地で首相との初顔合わせが実現する可能性もある。
一方、NATO首脳会議はG7サミットとともに、6月22日公示が想定される参院選日程と重なる。二つの首脳会議に出席すれば国内を不在にする期間が増えることから、首相は国内の情勢を見極めながら最終判断する。
時事通信