
山口:西日本の山口市小郡地区の住宅街で、住民がサルに襲われる被害が多数報告されており、7月27日水曜日正午現在、計58人が噛まれるなどのけがをしているという。
麻酔銃で撃たれたサルが捕獲された後も襲撃が続いており、複数のサルが住民に危害を加えているとみて、市は厳重に警戒している。
7月8日、網戸を開けて侵入したサルが、乳児の足を引っかいたのが最初の事件であった。
当初、サルは昼寝中の保育園児や小学生などの子どもや老人を狙っていたが、その後、成人男性を襲うようになった。
重傷者は確認されていないが、山口県自然保護課の担当者は、「サルが‟凶暴化”している」と警告している。
80代の男性が草取り中、後ろから猿に襲われた。鍬を使って追い払おうとしたが、背中や脇腹に一瞬にして約10箇所の傷を負った。「鍬を持っていなかったら、もっと大きなけがをしていたかもしれない」とその男性は言った。
「いつどこにサルが現れるか分からないので不安です」と男性は付け加えた。
山口市と県警は早朝から合同パトロールを開始し、罠も仕掛けている。
26日火曜日、委託業者が麻酔銃でサルを捕獲し、安楽死させた。しかし、サルによる襲撃は続いている。
何度もサルを目撃している女性は、「明らかに被毛の色の違うサルが少なくとも2匹いた」と語った。
市は、人を襲ったサルはいずれのケースでも1匹だけであったことから、群れからはぐれたサルと推定している。
市は、網戸を破ってサルが家屋に侵入した事例もあるため、住民に窓や戸締りを徹底するよう呼びかけている。
また当局は地元の人々に、サルを発見したら目を合わせずに逃げ、通報するよう呼びかけている。
「餌に無頓着なようなので、罠にかかることはありません」と市担当者は言う。
市担当者は「根気よく対策を続けるしかない」と付け加えた。
時事通信