
林芳正外相は14日の閣議に、2022年版の開発協力白書を報告した。
昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、同年中に日本が決めた関連支援(総額約16億ドル)を紹介。
エネルギーや食料の不足に直面するグローバルサウス(南半球を中心とした新興・途上国)に初めて言及し、アジア、中東、アフリカなどへの支援強化を打ち出した。
開発金融の在り方を巡り、途上国に多額の借金を負わせて支配を強める「債務のわな」などの現状に触れ、「中国などの新興ドナーの支援が透明性を持って行われるよう働き掛けていく」方針も明記した。
円借款償還分を除いた21年の政府開発援助(ODA)支出実績は、前年比8.4%増の約176億3414万ドル(当時のレートで約1兆9356億円)。英国を抜き、米国、ドイツに次ぐ3位に上昇した。
松野博一官房長官は14日の記者会見で、「わが国は先進7カ国(G7)議長国として、気候変動、エネルギー、食料、保健、開発などの諸課題への積極的な貢献を通じ、グローバルサウスへの関与の強化を主導していく」と強調した。
時事通信