

ハルキウ(ウクライナ):昨年、ウクライナ東部のハルキウを訪れた土子文則氏は、ロシアの侵攻を受け、人々を助けるためにできることは何でもしたいと述べていた。
ロシアの砲撃によって地下鉄駅への避難を余儀なくされた住民の窮状を知り、東京出身の75歳の日本人は留まることを決めた。
数カ月間、地下鉄駅に住み込み、地下鉄内で食料を配るボランティアをしていたという。
土子氏と、彼が駅で出会ったウクライナ人は、現在、ハルキウのサルティフカ地区に無料のカフェを開いている。土子氏によると、主に、ソーシャルメディアを介して集まった日本人からの寄付で運営している。
「6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、7カ月間、地下鉄構内に滞在して大勢のウクライナの人たち寝食を共にしてきました」と土子氏は言った。
「フミカフェ」では1日に500人に食事を提供しているという。
2022年2月に観光客としてウクライナを訪れた土子氏に、日本国大使館は、ロシアの侵略が近いことを理由に退去を促した。彼はポーランドの首都ワルシャワに行ったが、2カ月後に戻ってきた。
カフェの訪問者のひとり、アンナ・トフストピャトワ氏は、寄付をしに来たという。
「人生と時間を犠牲にして支援や希望を与え、心と魂で受け止めてくれる真摯な人たちの存在は素晴らしいです」とトフストピャトワ氏はいう。
ハルキウはロシアの進軍を阻止し、その後ウクライナ軍はロシア軍を国境まで押し戻した。退却したにもかかわらず、ロシアによるハルキウへの攻撃は続いている。
ロイター