気象庁は1日、日本の春(3~5月)の平均気温が1898年の統計開始以来、最も高かったと発表した。都市化の影響が少ない全国15地点の平均気温が基準値(2020年までの30年平均)を1.59度上回った。上位10位までは、2位の1998年を除いて2002年以降となっており、近年の温暖化傾向が目立っている。
今年春の高温は、上空の偏西風が平年より北寄りを流れることが多く、寒気がほとんど南下しなかったのが要因。同庁が観測する桜(ソメイヨシノ)の開花日や満開日も過去最も早い記録に並ぶか、更新する地点が多かった。
全国153地点の観測に基づく地域別の春の平均気温も、北海道(平年差2.3度)と東北(同2.0度)、北陸(同1.6度)、東海(同1.7度)で46年の統計開始以来、最も高かった。関東甲信(同1.9度)と中国(同1.4度)、九州北部(同1.3度)は過去最高記録に並んだ。
日本近海の春の平均海面水温は基準値を0.6度上回り、1982年の統計開始以来、2021年と並んで3番目に高かった。10の海域別では、日本海北部と南部、本州東方(東北地方太平洋沖)の3海域が最高記録を更新した。
一方、地域別の春の降水量は西日本が平年比127%、東日本が109%と多く、北日本(北海道と東北)は91%、沖縄・奄美地方は72%で少なかった。日照時間は全国的に長く、北日本が平年比114%、東日本が112%、西日本が109%、沖縄・奄美が111%だった。
時事通信