
安倍晋三元首相銃撃事件で、殺人罪などで起訴された山上徹也被告(42)は現在、大阪拘置所(大阪市都島区)に勾留され、読書などをして過ごしている。弁護団によると、出席予定だった6月の第1回公判前整理手続きが不審物騒ぎで中止になったことに「自分が出席することで騒ぎが起きた。次回以降はよく考えたい」と話しているという。
弁護団によると、山上被告は毎日、新聞や雑誌を読み、接見した弁護士には書籍の差し入れを求め、哲学書や歴史の本などを多く読んでいる。面会は弁護士が中心で、拘置所には手紙がたくさん届いている。
勾留当初は疲労感や全身に緊張感が見られたが、現在は穏やかな様子で、狭い空間のため膝に痛みが出るほかは健康状態に問題はない。
山上被告はこれまでの調べに、母親が信仰する世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への恨みを募らせ、「安倍氏が(旧統一教会と)つながりがあると思って狙った」と説明。ただ、弁護団によると、現在は淡々としており、社会に対して何かを発信したい様子は見られないという。
山上被告の伯父によると、「外の空気を吸いたい」とも話しているという。6月12日に奈良地裁で開かれる予定だった公判前整理手続きに出席予定だったが、地裁に不審な段ボール箱が届いた騒動で取り消された。
伯父によると、鑑定留置期間中には総額数百万円に上る支援金が山上被告の元に届き、その後も支援金は寄せられている。山上被告の母親は旧統一教会への信仰心を持ち続けているという。
時事通信