
ニューヨーク:リビア東部で発生した洪水の被害を受けたデルナ訪問から2日後の18日に行われた記者会見で、国連のリビア常駐・人道支援調整官を務めるジョーゼット・ギャニオン氏はこの洪水は「理解を超えている」と述べた。
ジョーゼット・ギャニオン氏は3カ月前にも、「ストーム・ダニエル」により「ほとんど認識できない」ほどの被害を受けた同地域を訪れている。
ユニセフの発表では最大30万人の子どもが影響を受けたこの危機に対し、ギャニオン氏は国際対応の再開を呼びかけた。
「人々が命を落とし、取り残されています」とギャニオン氏は述べた。捜索救助活動は現在も続いているが、遺体の発見確率は「非常に低い」とギャニオン氏は続けた。
国連は被害の性質と規模を鑑み、水源と下水網が深刻な被害を受けた中で健康への影響と水系感染症を「非常に懸念している」と述べた。
洪水でリビア東部の地雷と不発弾が移動し、難民が負傷や死のリスクに晒されている。
「これは当然ながらひとつの要素ではありますが、誇張ではなくこの災害による心理的な負担、特に子どもたちの負担は深刻です」とギャニオン氏は述べた。「我々の対応において、心理的サポートは優先事項です」
地域パートナー、地域コミュニティおよびグループが数時間以内に現地に到着したとギャニオン氏は付け加えた。
リビア赤新月社とリビア救援機構が国連と緊密に連携し、初期支援物資の配給を行った。
国際対応は「本格的にまとまりつつあり」、国連は「被害を受けたインフラ、特に道路や橋の舵取りに取り組んでいる」とギャニオン氏は述べた。
多くの国が「立ち上がり」、様々な国際支援、捜索救助隊の派遣、援助航空機や支援船舶の動員を行っている。
サウジアラビアも、航空機3機をリビアに派遣している。UAE、クウェート、カタールをはじめとする湾岸諸国も、災害対応に参加している。
危機対応の必要資金に関するアラブニュースの質問に対しギャニオン氏は、「危機の喫緊の影響への対応策として、世界のパートナーに7,140万ドルの緊急拠出アピールを行いました」と述べた。
リビアの指導者に接触したかとのアラブニュースの質問に対してギャニオン氏は、次のように述べた。「国連は全国のリビアの指導者たちに接触し、状況確認を行い、被害を受けた人々のあらゆるニーズに応えるために彼らが我々や他の国際組織のメンバー、リビアの人々とお互いにどのように協力できるのかを話し合いました」
ギャニオン氏は地域対立が危機に対する全国規模での対応を妨げるおそれがあるなかで、分断されているリビア政治を取り巻く状況にも懸念を示した。
「まさに今こそ、リビアのすべての組織・当局が目的と取り組みに向けて団結すべき時です」とギャニオン氏は述べ、次のように続けた。洪水被害者への支援提供において、「(対立する)当局間でのやり取りも生まれています」
ユニセフ、世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)をはじめとする9つの国連機関が、現地で洪水被害者への援助物資の提供と支援を行っている。
ギャニオン氏はトリポリでデルナのコミュニティと接触した。彼らのメッセージは「16日に私がデルナで聞いた話と一致していました」と述べた。
彼らは「デルナが忘れられることなく、国連と国際コミュニティが彼らをサポートし、支援を提供することを望んでいます」
ギャニオン氏は次のように続けた。「彼らは、この悲劇が分断された国をひとつにまとめ、すべてのリビア人を団結させることを願っていると話してくれました。これはすべての人が支援できる、支援すべきメッセージだと確信しています」