
テルアビブ:ロイド・オースティン米国防長官は13日、イスラエルのテルアビブに到着した。同国政府高官と会談し、武装組織ハマスとの戦闘の最初の週に米政府がイスラエルに迅速に提供した武器や安全保障支援の一部を直接視察する。
オースティン氏は、この2日間でイスラエルを訪問した2人目の米国高官だ。同氏がNATO国防相会議開催地のブリュッセルから素早く移動してきたのは、アントニー・ブリンケン米国務長官がイスラエルに到着した12日の翌日である。地域紛争の拡大回避のため、ブリンケン氏は必死の中東外交交渉を続けている。
オースティン国防長官は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相、ヨアヴ・ガラント国防相、イスラエル戦時内閣と会談する予定だ。
イスラエル軍がガザの数十万人の住民に対し、同軍による地上攻撃を前に「自らの安全のため」避難するよう指示したのを受けて、オースティン氏による訪問が行われた。ガザのハマス指導部はパレスチナ人に対し、「自宅にとどまり、確固たる態度で」イスラエルに対抗するよう呼びかけて応じた。
オースティン氏に同行する国防関係者は、同氏はイスラエル国民に対するアメリカの揺るぎない支援を強調したいと願っており、イスラエルの自国防衛に必要なものを確保するべく、アメリカは全力を尽くしていると述べた。
ある国防省高官によれば、アメリカはすでに小口径爆弾とアイアンドーム・システム用の迎撃ミサイルをイスラエルに提供しており、今後さらに多くが届けられる。その他の弾薬も13日に到着する予定だ。
オースティン国防長官はガラント国防相とほぼ毎日会談しており、米軍の艦船、情報支援、その他の資産をイスラエルとこの地域に迅速にシフトさせるよう指示した。国境を越えてイスラエルに侵入したハマスの残忍な攻撃からほんの数時間以内に、アメリカは軍艦や航空機を同地域に派遣した。
USSジェラルド・R・フォード級航空母艦打撃群はすでに地中海東部におり、2艦目の空母も13日にヴァージニアから出発し、同地域へと向かっている。
オースティン氏は、米国がこの地域で監視飛行を行っているかどうかについて明言を避けたが、米国はイスラエルに対し、人質に関する助言を含め、情報提供や他の計画支援を行っている。
イスラエルを訪問し、バイデン政権による外交支援を直接申し出た翌日の13日には、ブリンケン米国務長官はヨルダンを訪れ、アブドッラー2世国王陛下と会談した。会談後の記者会見は行われなかった。
ブリンケン氏はその後、ヨルダンの首都アンマンに自宅を構えるパレスチナのマフムード・アッバース大統領との会談に向かった。
アブドッラー2世国王陛下が統治するヨルダンにはパレスチナ人が多く居住しており、その地位には利害関係が存在する。アッバース大統領はヨルダン川西岸地区を支配するパレスチナ自治政府を率いている。
13日にブリンケン国務長官はさらにドーハに飛び、ハマス指導部と密接なコンタクトを持つカタール政府高官たちと会談することになっている。彼らは、先週末のイスラエル南部への前代未聞の侵攻の際に武装組織ハマスの人質となった、数十人のイスラエル人および外国人と、イスラエルにいるパレスチナ人の囚人の交換を模索している。
ブリンケン氏はバーレーンに短時間立ち寄った後、アラブ世界の主要国、サウジアラビアで一日を終える予定だ。
ブリンケン氏は週末に、アラブ首長国連邦とエジプトも訪問する。
AP