
リヤド:ジョー・バイデン大統領は14日、パレスチナのマフムード・アッバース大統領およびイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、同地域への人道援助を認めるよう指導者たちに求めるとともに、民間人を保護する努力への支持を確認した。
週末に実施されたワシントンからの電話会談は、米国がイスラエルを支援するために空母打撃群の第二弾を派遣すると発表したのと同時に行われた。一方、アントニー・ブリンケン米国務長官はイスラエルとハマスの戦争の拡大を防ぐための国際的な対応を呼びかけるため、中東、その他地域で外交活動を強化している。
ブリンケン氏は、リヤドでサウジアラビア外相ファイサル・ビン・ファルハーン王子と会談した後、アラブ首長国連邦に移動、戦闘に巻き込まれた市民を援助し、拡大する人道的危機に対処する方法を協議した。彼はまた、近く予想される地上攻撃を前に、パレスチナ人がイスラエルの標的となったガザ北部地域からの脱出に苦闘している中、中国の王毅外相とも電話会議を行った。
ロイド・オースティン国防長官も14日、イスラエルのヨアヴ・ガラント国防相と電話会談し、民間人保護の重要性を強調した。オースティン氏は、イスラエル軍の防空能力と弾薬を強化するための米国の取り組みについて最新情報を提供した。通話記録によると、これは戦争の拡大を抑えることを目的としている。
バイデン政権はイスラエルを支援するため、USSドワイト・D・アイゼンハワー空母打撃群を東地中海に派遣すると、2人の米国防当局者がAPに匿名を条件に語った。
アイゼンハワーは、すでにイスラエル近海を航行しているUSSジェラルド・R・フォード空母打撃群と合流し、駆逐艦、戦闘機、巡洋艦の編成により、同地域における米国のプレゼンスを強化するとみられる。
イスラエルがガザ住民に南部への退避を警告し、ハマスがこれに反して住民に自宅にとどまるよう促すなか、米国の広範な取り組みは、危険にさらされている民間人の数と長期化した戦争の潜在的な影響に対する国際的な懸念を反映している。
バイデン政権は、1週間前に起こったハマスの攻撃後、イスラエルに対し、公にはその対応を抑制するよう促していない。しかし、戦争のルールに従うべきだという国家としてのコミットメントを強調している。
ハマスによる攻撃以来、バイデン氏はネタニヤフ首相と何度も会談を行っているが、パレスチナ自治政府を率いるアッバース大統領と行った14日の電話会談は初であった。伝えられた通話内容によると、アッバース氏はバイデン氏に対し、パレスチナ人、特にガザの人々に援助を届ける努力について協議を行ったという。
アッバース大統領の事務所が発表した声明では、同氏はバイデン大統領に対し、ハマスによるイスラエル領土襲撃の報復として、パレスチナ人をガザから追放する行為を完全に否定すると述べたという。
通話記録によるとバイデン氏はアッバース氏に対し、「ハマスはパレスチナ人民の尊厳と自決する権利を代表していない」と繰り返し強調したという。
バイデン氏はネタニヤフ首相と会談し、「イスラエルに対する米国の揺るぎない支持を改めて表明」したと通話記録は伝えている。バイデン氏はネタニヤフ氏と、民間人の食料、水、医療へのアクセスを確保するための地域的な取り組みについて協議を行った。
米政府当局が14日に発表したところによると、殺害された米国民の数は29人に上り、行方不明者は合法的な永住権保持者1人も含め15人となっている。
ブリンケン氏は、サウジアラビア、およびアラブ首長国連邦の指導者たちと会談した際、ガザを離れようとする人々への人道支援と安全な通行の必要性を強調した。同氏は、こうした受け入れ国の指導者たちがこの問題を最も重要視していることを認識し、地元の聴衆に向けて演説を行った。
イスラエルによる地上攻撃が開始された場合、電力も、飲料水も、援助へのアクセスもないガザの市民の窮状を悪化させるだろう。エジプト当局によれば、南部のラファ検問所は14日遅くに開通し、数日ぶりに外国人の出入りが可能になるという。イスラエルは、ガザ市のハマス過激派に対する継続的な攻撃に巻き込まれないよう、すべてのパレスチナ市民に領土内の南部へ逃げるよう勧告している。
ブリンケン氏はまた、中国の王毅外相と電話会談を行い、戦争の拡大を防ぐために同国の協力を求め、中東で持てる影響力を行使するよう同政府に要請した。国務省報道官は王外相の反応について言及を避けたが、米国と中国は、この地域の安定に共通の関心を持っていると考えていると述べた。
ハマスがイスラエルに前例のない攻撃を仕掛けてから一週間、イスラエルが同過激派グループに対する侵攻の準備を進めるなか、ブリンケン氏とファイサル王子はリヤドで会談を行い、民間人への被害を最小限に抑えることの重要性を強調した。
「イスラエルがその正当な権利を追求し、国民を守り、二度とこのようなことが起こらないようにするために、私たち全員が民間人に気を配ることが極めて重要であり、私たちはまさにそのために協力している」とブリンケン氏は語った。
「イスラエルであろうと、ガザであろうと、他のどこであろうと、私たちの誰も、民間人が苦しむ姿を見たくはない」
ファイサル王子は、王国は民間人の保護に全力を尽くしていると述べた。
「不穏な状況だ」と彼は語った。「非常に困難な状況だ。そして、ご存知のように、この状況の主な被害者は民間人であり、双方の民間人が影響を受けている。誰であろうと、いかなる形であろうと、いかなる時であろうと、民間人を標的にすることを私たち全員が非難することが重要だと考えている」
ある米政府当局者は14日、米国はイスラエルに対し、住民の避難計画を遅らせたり延期したりするよう要請しなかったと述べた。この当局者によれば、イスラエルの指導者たちとの話し合いの中で、イスラエル軍が避難要求を実行に移すにあたり、民間人の安全を考慮することの重要性が強調されたという。
イスラエルの指導者たちはその指導を認め、参考にしたという。この当局者は、非公式な協議について公に話す権限がなく、匿名を条件に語った。
米国は、ガザにいるアメリカ人やその他の外国人がラファ検問所を通ってエジプトに入国できるようにするための合意を取り付けたが、14日時点で検問所は封鎖されたままであり、集まった人々の通過が許可される兆しはない。ガザには500人のアメリカ人が住んでいると推定されているが、その数は不正確だと当局者は述べている。
米国務省は14日、エルサレムのアメリカ大使館とテルアビブの事務所から、緊急避難に該当しないアメリカ政府関係者とその家族の出国を許可した。
ファイサル王子は、イスラエルとハマスの間の暴力を終わらせることが急務だと述べた。
「私たちは、この暴力の連鎖から抜け出す方法を見つけるために協力する必要がある」と彼は語った。「この絶え間ない暴力の連鎖を終わらせるための協調的な取り組みがなければ、最初に苦しむのは常に民間人であり、その代償を払うことになるのは常に双方の民間人なのだ」
アブダビ滞在中、ブリンケン氏は、『アブラハム・ファミリー・ハウス』を訪問した。この複合施設は、アブラハムの宗教、つまりキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の3つの宗教を象徴する教会、モスク、シナゴーグで構成されている。彼は、「暗闇の中の光」という言葉が書かれたタイルにサインした。
ブリンケン氏はサウジアラビアに戻り、15日にエジプトに立ち寄る予定。彼はすでにイスラエル、ヨルダン、カタール、バーレーンを訪問している。
AP