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ガザの避難民、寒さが増す中暖かい服を探し求める

2023年11月14日、ガザ地区南部のラファへのイスラエルの爆撃の後、瓦礫の中を歩く国連の青いベストを着たパレスチナ人男性。( AFP)
2023年11月14日、ガザ地区南部のラファへのイスラエルの爆撃の後、瓦礫の中を歩く国連の青いベストを着たパレスチナ人男性。( AFP)
UNRWAによると、イスラエルとハマスの戦争により、およそ160万人のパレスチナ人が避難を強いられており、数十万人が窮屈な避難所において、わずかな食料と不十分な水で暮らしている。(AFP)
UNRWAによると、イスラエルとハマスの戦争により、およそ160万人のパレスチナ人が避難を強いられており、数十万人が窮屈な避難所において、わずかな食料と不十分な水で暮らしている。(AFP)
2023年11月14日、ガザ地区南部のラファで嵐の際に空を照らす稲光。(AFP)
2023年11月14日、ガザ地区南部のラファで嵐の際に空を照らす稲光。(AFP)
パレスチナ難民のための国連機関(UNRWA)が運営する学校で暮らす国内避難民のパレスチナ人女性が、夜通しの暴風雨の後、湿った中庭をスリッパで歩いている。2023年11月15日、ガザ地区南部のラファにて。(AFP)
パレスチナ難民のための国連機関(UNRWA)が運営する学校で暮らす国内避難民のパレスチナ人女性が、夜通しの暴風雨の後、湿った中庭をスリッパで歩いている。2023年11月15日、ガザ地区南部のラファにて。(AFP)
2023年11月15日、ガザ地区南部のラファ難民キャンプへのイスラエルの爆撃のあと、住宅の瓦礫の中に立つ、毛布をかぶったパレスチナ人男性。(AFP)
2023年11月15日、ガザ地区南部のラファ難民キャンプへのイスラエルの爆撃のあと、住宅の瓦礫の中に立つ、毛布をかぶったパレスチナ人男性。(AFP)
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18 Nov 2023 03:11:53 GMT9
18 Nov 2023 03:11:53 GMT9
  • イスラエル軍がガザに容赦ない爆撃を開始した後、大量移住が始まった
  • 戦争前でさえガザ地区での生活は困難なものだった

ラファ、パレスチナ自治区:フールード ジャブエさんと彼女の子どもたちが、10月初旬にイスラエルの爆撃の中でガザ地区北部の自宅から避難した時、幼い子どもたちは半ズボンとTシャツしか身につけていなかった。

その時は夏の終わりの暑さがまだ残っていた。しかし今、彼女は衣類の山をひっかき回して、雨と厳しい寒さの中で暖かく過ごすための物を探している。

29歳の彼女は、「1か月以上前に20人の家族と一緒にガザ市を離れました」と、パレスチナ難民のための国連機関(UNRWA)が運営するラファにある学校の外の古着を扱う露店でAFPに語った。

イスラエルが南部の方が安全だとして、人々に南部に避難するよう警告した後、彼女たちはパレスチナ自治区ガザの北部を離れた。

10月7日にハマスの戦闘員が越境して襲撃し、民間人を主とする約1,200人を殺害した後、イスラエル軍がガザへの容赦ない爆撃を開始し、大量移住が始まった。

イスラエルからの大規模な報復につながった攻撃の際に、ハマスの戦闘員は約240人の人質も連れ去った。ガザのハマス政府によると、イスラエルの攻撃により、数千人の子どもを含む約11,500人が死亡したという。

ジャブエさんとその家族は現在、UNRWAの学校の床で寝ている。

「衣服を何も持って来ませんでした。でも、今は寒くて、冬物を買わなけれはなりません」と、衣料品が1点1シェケル(約0.25ドル)で売られる露店で、彼女は述べた。

戦争前でさえガザ地区での生活は困難なものだった。

国連は2022年に、2007年からのイスラエルによる同地区の封鎖が、「ガザの経済を空洞化させた」と推定した。

「移動への規制も、医療や他の不可欠なサービスへのアクセスを妨げており、ガザの住民の80%が国際援助に依存している」と、国連貿易開発会議(UNCTAD)が述べている。

イスラエル、エジプト、地中海に挟まれた人口が密集する細長いガザ地区の失業率は45%だった。

国連によると、現在、ガザで暮らす240万人全員が飢餓に陥っており、165万人が戦争によって避難を強いられている。ガザにある住宅の半数近くが破壊されるか、損傷を受けており、貧困は悪化するばかりとなるだろう。

「古着を買わなくてはならなくなったのは人生で初めてです」と、ジャブエさんは述べた。「お金持ちではありませんが、普段は子どもたちの衣料品1点に10シェケルを払うことができます」

「今、子どもたちはあまりの寒さのせいで咳をしています。他に選択肢はありません」

彼女は、古い衣服は「ばい菌でいっぱい」だと確信していると述べた。

「でも、子どもたちはそのまま着なくてはなりません。シャワーを浴びるための水もなく、まして洗濯をする水などありません」

露店が並ぶ路上で、数百人のパレスチナ人が商品を手に取り、サイズをチェックしたり、生地を比べたりした。現在は気温は下がっており、頻繁に豪雨が降る。

ワリド・スベーさんは、自分の土地を追われ、1シェケルの所持金もないという。彼は妻と13人の子どもたちと共に、毎晩UNRWAの学校にあるテントで夜を過ごしているという。

「いまだに夏の服を着ている子どもたちがお腹を空かせているのを見ると、耐えられません。そして、何も買ってやれないと分かっているのです」と、彼はAFPに語った。

「これは生活とは言えません。彼らは私たちを家から追い出し、冷酷に殺します。爆撃で死ななければ、飢餓や渇き、病気、寒さで死ぬのです」と、彼は述べた。

スベーさんは、自宅が爆撃された後、家を出る際に毛布を持って来たという。

「しかし道中で、イスラエル兵たちが全てを捨てて手を上げたままにしろと言ったのです」

自分の子供には小さくなってしまった暖かい服をくれる人たちがいたと、彼は語った。

洋服店を営むアデル・ハルザラーさんは、冬物パジャマの在庫は2日で売り切れたと述べた。

「冬服の到着を待っている時に戦争が始まりました。国境を越えて運ばれてくる予定でした」。しかし、10月7日のイスラエルへの攻撃後に国境は封鎖された。

現在、彼の商品は食品、飲用水、燃料と同様に、コンテナーの中に入ったままで、どれも高値になっている。
1人の客が、落胆してハルザラーさんの店を後にした。

「ジャケット1着が70シェケル?私には払えません。子どもが5人いるんです」と、この客は述べた。

アブデルナッセル・アブ・ディアさん(27)はAFPに、「パンを買うお金もなく、まして服など買えません」と語った。

彼は1か月にわたって、避難の際に着ていた服だけしか持っていなかった。

しかし、気温が低くなってくると、「私と子どもたちにスポーツ用ジャケットをくれる人がいました。私たちはそれを1週間続けて着ています」と語った。

AFP

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