
カイロ:国連世界食糧計画(WFP)は2日、スーダンで餓死者が出ているとの報告があると発表した。スーダンでは、敵対する将軍同士での激しい戦いが起きており、最悪の飢えに苦しむ人々に支援物資や食糧が届けられない状況となっている。
アブドゥルファターフ・ブルハン将軍率いる「スーダン国軍」と、モハメド・ハムダン・ダガロ将軍が指揮する強力な準軍事組織「即応支援部隊」との間で10か月間にわたる衝突が続き、アフリカ北東部の同国では広範囲に大きな被害が発生している。
この紛争は昨年4月に首都ハルツームで勃発し、両軍の間で一触即発の緊張状態が数か月続いた後、国内の他地域へと急速に拡大していった。
国連世界食糧計画によると、現在はスーダン全土で約1,800万人が深刻な飢餓に直面しており、最も絶望的な状況にある人々は紛争の最前線に閉じ込められているという。
紛争が多発している地域は、ハルツーム、ダルフールの西部地区、コルドファン州やゲジラ州で、これらの場所では道路の封鎖、金銭の要求、治安上の脅威などにより物資の供給が危険にさらされている。
WFPスーダン国事務所のエディ・ロウ代表は、「最も必要な人たちに救命支援が届かず、すでに餓死者が出ているとの報告を受けています」と話した。
国連はこの紛争で少なくとも12,000人が死亡したと報告しているものの、地元の医師団らは、実際の犠牲者はそれよりもはるかに多いと語っている。国連移住機関によれば、難民の数は1,070万人を超えているという。
ダガロ将軍の準軍事組織は、この3か月間で優勢に立ったと見られ、スーダンの中央ベルトを越えて東部と北部にまで進軍。人権団体らは、両軍の行為を戦争犯罪として非難している。
アフリカの地域各国が紛争終結に向けた仲介に乗り出す一方で、サウジアラビアや米国なども対立する両陣営の間接的な対話を何度か調整しているが、目立った成果は得られていない。紛争が勃発して以来、ブルハン将軍とダガロ将軍の面会はまだ一度も実現されていない状況だ。
AP