
メネクシェ・トキエィ
アンカラ: 各国がコロナウィルスの拡大に取り組む中、これまで9年間混乱状態の生活を続けるトルコ国内のシリア難民の状況に対して対応が求められている。
不安定な状態に置かれている難民の数は400万人近くに達している。
数千人の難民がトルコとギリシャの国境沿いを何週間も危険な旅を続けている。国境沿いには、複数の10,000人から15,000人を受け入れているキャンプがあるが、そこでは社会的距離確保のルールを適用することは不可能だ。人口の集中と水道を利用できないことで、伝染の危険が増大している。
オメール・ファルーク・ゲルゲリオグル教授は、クルド人支持派のHDP所属の国会議員だが、最近次のような警告を行った。「難民は(トルコとギリシャの国境の)エヴロス川沿いに避難しています。その地域でまだ感染の報告はありませんが、もし感染が生じたら、急速にその地域に広まるでしょう。」
ただちにシリア難民を、この致死率の高いウィルスに対して、これまで以上に効果的かつ利用しやすい方法でトルコ国内で保護する必要がある。
シリア難民に症状が出た場合、トルコの保健省のホットラインに電話連絡して、長蛇の列に並んで待ってアラビア語の通訳を呼んでもらわなければならない。
保健省は最近、ホームページにアラビア語の感染の連鎖を断ち切るために個人が取るべき対策と手順の案内を発表した。
アンカラに拠点を置くシンクタンクTEPAVの難民政策アナリストのオマール・カドコイ氏は、複数の言語で情報を共有して、トルコ国内の亡命希望者や難民のコロナウィルスに対する必要な予防措置についての認識を高める必要がある、と述べた。
「その次に重要な措置は、メディアを使って最大限にその情報に接してもらうことです。」
「シリア人は、トルコ国内の他の亡命希望者や難民と同様に、情報を入手するのにソーシャルメディアに大きく依存しています。この運動の全ての関係者はフェイスブックやツイッターを使ってできるだけ多くの人に情報を伝えなくてはなりません」と、カドコイ氏はアラブニュースに語った。
カドコイ氏は、コロナウィルスに対する脆弱性を減少させるには、医療サービスを平等に受けられることが必要だと考えている。
「トルコには、身分証明書がないために検査や治療を受けさせてもらえない恐れのある、不法滞在の亡命希望者や難民がいます。今は規則通りにやるべき時ではありません。コロナウィルスとの戦いは、人の法的身分にかかわらず、みんなで行う集団行動なのですから」と、カドコイ氏は語った。
ユニセフは、国境沿いの難民の関心を高めるために、衛生用品キットを最近配布した。
イスタンブールのオズエジン大学の移民専門家のデニーズ・セノール・サート氏は、国境の難民が、社会的距離が取られてこなかったり、越境してきた難民が一部含まれると仮定して、トルコに帰国させられた場合に必要な措置に注目している。「この人たちは14日間の隔離期間が必要なのだろうか、という疑問が依然として残っています」と、彼女はアラブニュースに語った。
トルコ政府とEU本部は、国境沿いの状況が悪化しているため、ドイツなどのEU加盟国が最大1,500人の同伴者のいない子供の難民をヨーロッパ各国に収容する提案をする中、トルコ大統領レジェップ・タイイップ・エルドアンが最近行った、ヨーロッパへの移民にトルコ国境を開放するという決定を巡って会談を重ねてきた。
トルコは難民の健康指標を追跡するため、ギリシャとの国境沿いに野戦病院を開設したが、現在までにころなウィルスの感染は報告されていない。
難民活動家は、東部の山岳地帯から不法にトルコ国境を超えるイラン難民がいて、国境を越えた感染の危険を高めている、と指摘している。