
ナジア・フサリ
ベイルート:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により死亡したレバノンの医療従事者は、21日の閣議決定により「殉職者」と認められる。
ミシェル・アウン大統領は、ウイルスで亡くなった若い医師ルアイ・イスマイルさんについて、「人道的責務を果たしている際に」命を落としたとして、「殉職者」であると述べた。
イスマイルさんはこの病気で亡くなった最初のレバノン人医師だ。彼の死は、その若さゆえ、国中に警鐘を鳴らすことになったが、病院内や患者の移送中に感染した他の何十人もの医師、看護師、救急隊員らは完全に回復している。
若い医師はティールのレバニーズ・イタリアン病院に勤務していた。2週間前に新型コロナウイルスの症状が現れ、7日間の隔離中に3回の検査を受けた。検査結果は陰性だったが、深刻な肺炎の症状に苦しむようになり病院に搬送され、息を引き取った。
レバノンの感染者数は、同国の空港が民間機用に再開されてから、過去2週間で着実に増加している。
ハマド・ハッサン保健相は、「PCRテストを実施していない国からの入国者には、48時間ホテルでの自主隔離を要請する」という新たな決定を発表した。
「経済状況を考慮し再び国を封鎖することはしないが、マスクを着用しない者には50,000レバノンポンドの罰金を課す」と同相は語る。
国内治安部隊の総局は、ソーシャルメディアを通じて、次のような内容の感染防止啓発キャンペーンを再開した。「ウイルスの脅威が存在し、増加しています — 過去7日間で486件の感染者数が確認されています。それを過小評価してはいけません。どこにいても感染防止の対策を順守しなくてなりません。私たち全員に感染の可能性があるのです。安全な距離を保ち、マスクを着用しましょう」
呼吸器科医のバヤン・アビ・ハンナ博士は、「レバノンではウイルスの局所的拡大の段階にあるが、感染拡大は限定的であり、感染防止の対策を徹底的に実行する必要がある」と述べている。アビ・ハンナ氏は、2月21日に同国の最初の感染者が確認されて以来、唯一の認定医療機関であるベイルートのラフィク・ハリリ大学病院で患者の治療にあたっている。
「入院患者のほとんどは、重大な状況を過小評価していました。私たちは先週5人の患者の死亡を確認しました。若くして亡くなった医師もいます。この病気を過小評価してはいけません。冗談では済まされないのです」と彼は語る。
「検査結果を未確認のまま自主隔離を怠った入国者がウイルスの拡散の一因になっています。しかし多くの症例は、感染者との接触や適切な手洗いを怠ったことが原因になっています」
「マスクを着用しないでテレビ番組に出演する役人は、誰よりも責任を問われるべきだ」とアビ・ハンナ氏は言う。
保健省の日報によると、感染者の総数は2,800人を超え、死亡者は40人となっている。
俳優のワジ・サクルさんはテレビ番組に出演し、彼と彼の母親がコロナウイルスに感染したことを発表した。「私は状況を過小評価し感染してしまった。感染を公表することは恥ずかしいことではない」と彼は泣きながら語った。
ベッカー高原北部にあるヘルメル県では初めての感染者が確認され、すべての施設、機関、レストラン、カフェ、店舗などを3日間閉鎖すると発表した。