エルサレム:イランを後ろ盾とするシーア派集団ヒズボラの戦闘員がシリア内でイスラエルによるものとみられる攻撃で死亡した数日後の月曜、レバノンとイスラエルの国境付近でヒズボラがイスラエル軍に対する軍事作戦を実行した。レバノンの情報筋が伝えた。
ある情報筋は、軍事行動は攻撃への報復であると語ったが、ヒズボラはこれまでのところ声明を出していない。
イスラエル軍報道官は、我が軍は我が国が占拠する領土内への「ヒズボラ・テロ部隊の侵入を阻止した」が、イスラエル側に犠牲者は出ていないと発表した。
「彼らがブルー・ラインを超えた直後に我々は交戦した」と報道官は述べた。
3名から5名ほどからなる部隊はレバノン側へ戻っていったとした。レバノン側の情報筋によれば、ヒズボラにも犠牲者はでていない。
別のレバノン情報筋は、ヒズボラがイスラエルの戦車に誘導ミサイルを発射したと言った。しかしイスラエル軍報道官ジョナサン・コンリクス中佐は、そのような出来事については知らないと報道陣に語った。
事件はシェバー・ファームズで起きた。イスラエルが占拠し、レバノンが所有を主張する地域だ。国連はこの地域を、1967年中東戦争の際にイスラエルが占拠したが、本来はシリア領土であるとみなしている。
レバノン内にいたあるロイター通信の社員は、イスラエルの何十発もの炸裂弾が地域を攻撃し、イスラエルの軍事拠点に着弾したものとみている。その地域から火炎と煙が上がった。
この地域でセキュリティー案件が最初に報告された約1時間後にイスラエル軍は、国境北部のイスラエルの住民たちに出していた屋内に留まるようにとの指示を解除したと発表した。
事件報道の直前に、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は「レバノンとヒズボラは、レバノン領土からのいかなる攻撃についてもその責任を負うことになる」とテレビ放送で述べた。
月曜日の軍事行動について知るあるレバノン情報筋は、今回のヒズボラの攻撃は先週月曜にダマスカスのはずれで起きたイスラエルのものとみられる攻撃でヒズボラ戦闘員1名が殺害されたことへの報復だと述べた。
昨年8月にダマスカスで2名のヒズボラ戦闘員が殺害された後、ヒズボラ事務局長サイード・ハサン・ナスララ氏は、イスラエルが今後シリアでヒズボラ戦闘員を殺害すれば報復すると誓った。しかしヒズボラの副事務局長は日曜日に、イスラエルとの全面戦争はないだろうと述べている。
ヒズボラはシリア国内に戦闘員を配備してきた。シリアでは2011年にバシャール・アル・アサド大統領への抗議活動から内戦へと発展し、ヒズボラはイランを後ろ盾としてアサド大統領を支援する活動を展開している。
イスラエルは、シリアにおけるヒズボラとその同盟であるイランの存在を戦略的脅威とみなし、イランとの繋がりをもつシリア内の標的をこれまでに何百回と襲撃してきた。
ロイター