• 家族と弁護士によると、フェィコーリー氏は、旧キアム刑務所（Khiam Prison）で働いていたが、囚人との直接的なつながりはなく、尋問や拷問に関わったことはなかったという。

ニューハンプシャー州コンコルド：否認した数十年前の殺人と拷問でレバノンで数ヵ月投獄され、後に釈放されたアメリカ人、アマーラ・フェィコーリー（Amer Fakhoury）氏が月曜に亡くなったと家族が伝えた。57歳だった。

ニューハンプシャー州ドーバーのレストランオーナー、フェィコーリー氏は、ボストン市のダナ・ファーバー癌研究所で亡くなった、同氏は、収監中にステージ4のリンパ腫と診断されていた。

9月に拘留された時、同氏はレバノンの家族を訪れていた。レバノン高官は、同氏を1990年代、イスラエルに支援された南レバノン軍が運営する刑務所で、囚人を拷問したと告発した。

家族と弁護士によると、フェィコーリー氏は、旧キアム刑務所（Khiam Prison）で働いていたが、囚人との直接的なつながりはなく、尋問や拷問に関わったことはなかったという。彼は不当に拘留されたという。

3月、アメリカ高官が釈放のため尽力した結果、裁判官は請求を却下した。フェィコーリー氏の拘留は、南レバノン軍が敵対する民兵組織ヒズボラ（Hezbollah）により主導されていると感じた。

声明では、フェィコーリー氏は「ヒズボラの手によって」拷問されたと家族は語った。
「神はアマーラ・フェィコーリーをとても愛していました。だから、最後の日々を生き延びるため、テロリストたちの手から解放し、アメリカの家族に連れ戻したのです」と、家族は語った。

フェィコーリー氏は、昨年、米国市民を得た。同氏は、2000年にイスラエルが18年に及ぶ南レバノン占領を終えた後、彼および他のSLAメンバが受けた殺害の脅迫のため、2001年にイスラエル経由でレバノン、そして最終的に米国に逃れたと、弁護士と家族は語った。

レバノンとイスラエルは、イスラエル建国の1948年から正式には戦争状態である。レバノンは、国民に対してイスラエルへの渡航やイスラエル人との連絡を禁止している。

フェィコーリー氏は、20年間近く、レバノンに足を踏み入れていないが、政府からは帰国することができ、書類はクリアであるとの補償を与えられていた、と弁護士は語った。

フェィコーリー氏は、ミシェル・アウン（Michel Aoun）大統領が、元SLAメンバに帰国を奨励した後、訪問の検討を始めた。軍内の他の多くと同様、フェィコーリー氏は1996年のイスラエルとの協力の罪に直面したが、取り下げられた、と同氏の弁護士、セリーヌ・アタラー（Celine Atallah）は語った。

フェィコーリー氏は、家族を訪れるため休暇でいた時、ベイルートで投獄された。尋問中、キアム刑務所長であったことを告白したと、レバノンのインテリジェンス・サービスは語った。キアム刑務所は、人権団体により拷問センターとして説明されている。

フェィコーリー氏は誰も虐待せず、彼に対して虐待の主張はこれまでなかったと弁護士と家族は語った。アメリカ・ニューハンプシャー州選出の上院議員ジーン・シャヒーン（Jeanne Shaheen）は、文書が示すところでは、「アマーラ氏はレバノンやヒズボラにつながりがある新聞が主張するような人物ではありません」と語った。同議員はレバノンに制裁を求める法案を導いた。

「アマーラ氏の死去には心が痛みます」と、声明でシャヒーン議員は述べた。「アマーラ氏が、人生最後の数ヵ月、愛する家族に囲まれ、最善のケアを受けながら過ごせたことに、私は非常に安堵しました」とも付け加えた。「アマーラ氏は、愛された夫、父、そして祖父で、コミュニティの柱でした。米国に移民し、勤勉と起業家精神を通じて、アメリカンドリームを実現しました。」

フェィコーリー氏のケースは、既にトラブルに見舞われているアメリカとレバノンの関係にも大きな緊張を与えた。ワシントンの議員たちは、レバノンへの重要な援助を与えず、レバノン軍に制裁を課すと脅しをかけた。これは、イランに支援されたヒズボラ運動に対する防波堤としてトランプ政権によって見なされている。

レバノンは、政治的にも財政的にも危機に巻き込まれいる。今月初めには、ベイルートに保管されていた硝酸アンモニウムの大爆発で、少なくとも180人が死亡し、6,000人が負傷した。

AP