
カルタゴ、チュニジア:国連のリビア特使が月曜、敵対する両陣営に対し、来月の話し合いに参加する際には政治的な野心よりも国益を優先するように要請した。この話し合いは、10年にわたる流血を終わらせることを目的に行われる。
この北アフリカの国は武装集団に支配されており、国内の紛争に引き裂かれて2つの激しく対立する陣営に分裂している。トリポリを拠点とする国連の認める統一政府と、同国東部を拠点とし絶対的指導者ハリファ・ハフタルの支援を受ける敵対政府である。
隣国のチュニジアが、市民社会の代表者、部族民、政治的リーダー、および両陣営を代表する機関のメンバーなどによる話し合いの場を11月初旬に設けることになっている。
「参加という観点で望んでいるのは、人々が自分の政治的野心のためではなく、国家のために出席すること」と、国連のステファニー・ウィリアムズ特使は月曜、チュニジアのカイス・サイード大統領との会談の後に話した。
ハフタルや統一政府のファイズ・サラージ首相が出席するかどうか質問されると、参加者は「政府内での高い地位が考慮されない立場に自らを置く」ことを条件に参加することができると述べた。
これには、大統領指揮下の主要委員会の委員や、首相の職、および閣僚の地位が含まれうると、ウィリアムズ特使はAFPに語った。
話し合いは国政選挙実施の下地作りを目的としていると、彼女は付け加えた。
チュニジアのオスマン・ジェランディ外務大臣は、「危機の政治的解決につなげることが可能なリビア人同士の対話」を要請した。
サイード大統領は月曜、アルジェリアのアブデルマジド・テブン大統領と話をした。テブン大統領は新たな対話に敬意を表し、リビアのもう1つの隣国であるアルジェリアは「常にチュニジアに寄り添っている」と述べた。
またテブン大統領は、アルジェリアで憲法改正に関する国民投票が行われる11月1日以降に、チュニジアを訪問すると話した。
アルジェリア大統領府は、両国の大統領が電話会談を行ったことを認めた。
「共和国大統領アブデルマジド・テブンはカイス・サイード大統領側からの電話を受けた。両者は2国間関係や計画されているテブン大統領のチュニジア訪問について再検討した」と、同大統領府は声明文で述べた。
声明文によれば、テブン大統領は「チュニジアが国連の支援の下でリビア人の間の対話を主催することを歓迎した」という。
リビアの敵対陣営間では2015年にモロッコで合意が結ばれており、それによって統一政府が生まれたものの、ハフタルが同政府を認めることはなかった。
ハフタルは2019年4月に攻撃を開始してトリポリを奪取したが、1年におよぶ戦闘の後、撤退を余儀なくされた。
ハフタルの軍隊がリビア西部から追い出されて以来、対立する両陣営は制度や軍事、政治的な事柄など、特定のテーマに関して話し合いを再開してきた。
チュニス協議は10月26日にテレビ会議の方法で始まり、それに続いて11月初旬に対面での継続的な会議が行われる。
AFP