Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

岸田首相の中東歴訪:今後の流れ

岸田文雄首相は、2023年7月16日から2023年7月18日までサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールを訪れる初の中東歴訪へと出発する。(AFP通信)
岸田文雄首相は、2023年7月16日から2023年7月18日までサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールを訪れる初の中東歴訪へと出発する。(AFP通信)
Short Url:
16 Jul 2023 02:07:39 GMT9
16 Jul 2023 02:07:39 GMT9

アラブニュース・ジャパン

岸田文雄首相は今週、安倍晋三氏が訪問した2020年以来、初めて中東を訪問する。

岸田首相は7月16日にジェッダに到着する予定である。その後、アラブ首長国連邦(UAE)を訪問し、7月18日にはカタールに到着する。今回の訪問は、日本とGCC諸国との関係を改善し、石油の安定供給をはじめとするさまざまな分野での協力を強化することを目的としている。

3か国の対日石油供給量は、日本の総原油輸入量の80%以上を占めており、サウジアラビアは今年の初め以来、総原油輸入量の40.68%を占めている。

ロシアの対ウクライナ戦争でエネルギー供給が不安定な状況にある中、岸田首相はアラブ諸国に対し、増産を通じて石油市場を安定させるよう求める意向だ。

2023年5月21日にウクライナ大統領報道機関が撮影し公開したこの配布写真は、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領(左)と日本の岸田文雄首相(右)が、広島で開催されたG7首脳サミットに続いて広島平和記念公園で行なわれた献花式に出席している様子を写している。(AFP通信)

また、間もなくUAEで開催されるCOP28で、日本が推進している水素・アンモニアを利用した発電による温室効果ガス排出削減に向けた中東諸国との協力についても話し合う。

岸田首相は昨年3カ国訪問を予定していたが、新型コロナウイルスに感染したため中止となった。

7月13日、松野博一官房長官は記者会見で、岸田首相が中東歴訪で予定する会談の議題には、ロシアの軍事侵略下にあるウクライナなどの国際情勢が含まれると述べた。

松野官房長官は、日本企業の代表団が岸田首相の歴訪に加わり、日本企業がこの地域でビジネスや投資の機会を拡大するのに役立つだろうと指摘した。

外務省の声明によると、首相は歴訪中に各国の首脳と会談し、二国間関係など幅広い議題についても話し合う予定である。 

「岸田首相は今回の訪問を通じて、G7広島サミットの成果を踏まえ、エネルギーなど様々な分野で各国との協力を確認するとともに、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持と強化を促進したいと考えている」と声明は付け加えた。

岸田首相は東京から出発し、7月16日にジェッダに到着する予定である。日・サウジアラビア首脳会談やその他の会合が同日に開催される。 

7月17日、岸田首相はジェッダを出発してアブダビに向かい、日・アラブ首長国連邦首脳会談やその他の会合が開催される予定となっている。 

その後、7月18日にアブダビを出発し、日・カタール首脳会談が開催されるドーハに向かう。

岸田首相は7月19日に東京に戻る予定となっている。

2020年、当時の首相だった安倍氏は中東歴訪を行い、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーンを訪問した。サウジアラビア滞在中、同氏はアル・ウラーでムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下と会談し、地域の発展について話し合った。

2020年1月12日にサウジ王宮から提供された配布写真には、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下(左)がアル・ウラーで日本の安倍晋三元首相と会談している様子が写っている。(AFP通信)

当時、隣国イランとの緊張が高まっていた。しかし、岸田首相は今回、中国の仲介で国交が回復したタイミングでの来訪となった。

安倍首相はまた、2016年からの協力枠組み「日・サウジ・ビジョン2030」を通じて、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下の改革努力を全面的に支援することも約束した。

皇太子はまた、当時、日本が海上自衛隊(MSDF)の駆逐艦と哨戒機を中東に派遣することを全面的に支持した。

また、この地域で日本関連の船舶が安全な航行を確保するための情報収集を目的としたMSDFの活動についても、皇太子から全面的な支援を受けた。

 

年表:

1955–サウジアラビア王国と日本との間に正式に外交関係が樹立

1960–サウジアラビア初の日本大使館をジェッダに設置

1971–ファイサル・ビン・アブドルアジーズ国王が両国の二国間関係を強化するために東京を訪問し、日・サウジアラビア関係の歴史における重要な一歩を踏み出した

1981–当時皇太子夫妻だった明仁上皇と美智子上皇后がサウジアラビアを訪問

2000–日本はサウジアラビアで第3位の貿易相手国になり、この年末までに日本はすでにサウジアラビアに30億米ドル以上の投資を行なっていた

2017–サルマン・ビン・アブドルアジーズ国王が日本を訪問し、東京で安倍晋三元首相と会談し、日・サウジ・ビジョン2030について話し合った

2020–安倍元首相はアル・ウラーでムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下と会談し、地域の安定と平和を確保する努力を維持することで合意した。

2020年1月には、MSDFのP-3C哨戒機2機が任務に就き、同年2月2日にはMSDFの駆逐艦高波が中東に向けて出発した。日本のメディアによると、任務は延長され、2021年12月26日に中東を離れた。

両首脳はその後、地域の安定と平和を確保する努力を維持することで合意した。

故首相は訪問中にアル・ウラーを訪ね、その年の後半に一般公開された古代ナバテア遺跡に注目を集めることに貢献した。

その訪問の際、安倍首相はサウジアラビアのサルマン国王と会談した。両首脳は、2020年にサウジアラビアが主催したG20会合の成功に向けて協力していくことを確認した。

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(左)。2019年6月28日、大阪で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議で、家族写真撮影のため到着した安倍晋三首相に迎えられる。(AFP=時事)

当時の会談で、国王はエネルギー分野に限らずさまざまな分野でサウジアラビアと日本との戦略的パートナーシップが深まることを期待した。

2012年12月の安倍政権発足以来、それは5度目の会談だった。当時、サルマン国王は皇太子だった。

2020年1月に日本の安倍晋三元首相はリヤドを訪問し、サウジアラビアのサルマン国王と会談した。

岸田首相は中東歴訪に先立ってリトアニアを訪問し、7月12日にNATO首脳会議に出席した。首相は中国の軍事活動に対抗するため、NATOのインド太平洋地域への関与を高めるよう求めた。

岸田首相は、イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長と会談し、宇宙協力に関する日本とNATOの新文書について話し合った。

ストルテンベルグ氏は7月12日、NATO首脳会議中に加盟国は東京に連絡事務所を新設する案について合意できなかったと述べた。

「連絡事務所の問題はまだ検討中だ。今後検討される予定だ」と、リトアニアのビリニュスで開催された2日間のNATO首脳会議後の記者会見で、ストルテンベルク氏は述べた。

フランスは、中国からの反発を懸念して、東京事務所の計画に反対している。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は記者会見で、インド太平洋は北大西洋ではないと述べた。

岸田首相はまた、NATO首脳会議の傍ら、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談し、福島第一原子力発電所の処理水を海洋放出する日本の計画を説明した。

リトアニアでは、岸田首相はウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領とも会談し、ロシアの侵攻に対抗するウクライナへの支援継続を約束した。

岸田首相は7月13日、ベルギーで欧州理事会のシャルル・ミシェル議長と欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と会談し、安全保障と経済協力について話し合った。

特に人気
オススメ

return to top