
Menekse Tokyay
アンカラ:アンカラの米国大使館が金曜にビザの処理を一時停止し、在トルコ外国人へのセキュリティー警告を発表して以来、トルコは高まるテロ攻撃の脅威への不安に直面している。
米国大使館は「信頼できる情報源」からテロ攻撃や外国人の拉致の可能性が報告されたとして、米国市民にオフィスやショッピングモールを含む公共の場で「厳重に警戒して行動を」と呼びかけた。
イスタンブールのアンカラにある米国大使館の職員であるイズミルとアダナは、警戒態勢を怠らず、目立たないようにと告げられた。外国人は人混みを避けるようにともアドバイスされている。
「トルコの米国大使館は、信頼できる情報源からテロ攻撃や、在イスタンブール米国市民及び外国籍の人々の拉致の可能性の報告を受けた。テロ攻撃の標的には米国総領事館に加え、トルコ国内の他の公館も含まれる可能性がある」と、大使館は発表した。
アラブニュースはアンカラの米国大使館に今回の安全保障上の脅威についてより詳しく取材した。
今回のテロ予告は、米国が近く行われる大統領選挙に集中し、トルコがシリアの反体制活動の中心となっているイドリブにある重要な監視所のいくつかを撤退し始めているタイミングで明らかとなった。
ダーイッシュ(DAESH)と関係があると見られるシリア人が、最近、アル・ホール難民キャンプから解放されている。両国の国境は越えることが非常に簡単であるため、セキュリティー脅威が増している。
専門家は、今回のテロ攻撃への警告はダーイッシュ(DAESH)に関連付けられると考えている。
「在トルコ外国公館は時々、トルコ当局と協力し、テロ攻撃の脅威についてのこのような発表を行うことがある」と、安全保障専門家のMete Sothaogluはアラブニュースに語った。
「テロリストグループを見つけ出すための戦術だ。警告を発することで潜伏して攻撃を準備していた組織が活動を始めることがあるからだ」
現在、多くのアメリカ人が領事館や大使館に投票に訪れているため、トルコの米国公館のセキュリティー体制は厳重化している。
元軍当局者で現在はアンカラに拠点を置くテロ過激派対策リサーチセンターの所長、Erol Buralは、トルコ国内の米国公館に対するテロ予告はおそらく極左過激派組織、革命的人民解放党・戦線(DHKP-C)かDAESHによるものと予想する。
DHKP-Cは何十年もトルコで活動しており、何度も自爆テロ攻撃を実行している。2013年にはアンカラの米国大使館での自爆テロによりトルコ人の警備員が死亡した。
過去には米国とトルコの安全保障当局の協力により、DHKP-Cの下部組織がいくつか発見された。
「テロ攻撃の警告はトルコのテロ対策の重要な先述の一つだ」と、Buralは語る。
「このタイミングでの警告は、トルコが国中でDAESHの下部組織へのテロ対策を強化しているにもかかわらず、なぜ今テロ攻撃の脅威が高まっているのか、疑問を呈することになる」
トルコで最多の死者を出したテロ攻撃は、2015年10月、アンカラでのデモの最中にDAESHによって行われた2回の自爆テロで、103人が死亡、400人以上が負傷した。
最近では、イスタンブールでDHKP-Cの関係者が多数逮捕された。DHKP-Cはトルコ、米国、EUでテロリスト団体として認定されている。