
バグダッド:バグダッド近郊でイランのトップ軍人、カセムソレイマニ司令官とイラクの民兵組織の指導者、アブ・マフディ・アルムハンディス容疑者を殺害した米国によるドローン攻撃から1周年を迎え、イラクでは模擬葬列による行進が行われた。
ソレイマニ司令官らの死を惜しむ数千人の人々が1月2日夜、2人が殺害された地点、バグダッド空港に向かうハイウェイでの行進に参加した。攻撃地点は車両により封鎖されていた。
ハイウェイの両側には殺害された二人のポスターが飾られ、行進の参加者たちに飲食物を提供するテントが並んでいた。攻撃を受けた地点は、行進の参加者たちが灯すろうそくの火の中で、故ソレイマニ司令官と故アルムハンディス容疑者の写真が中央に置かれ、赤いロープで封鎖された礼拝所のようなエリアに変貌していた。
攻撃地点周辺のアスファルトと壁には、今も榴散弾の跡が見られる。
ソレイマニ司令官は、イランの国外における軍事作戦を担当し、イラク、レバノン、シリアの間を頻繁に往復するイラン革命防衛隊のエリート組織、コッズ部隊の司令官を率いていた。彼の暗殺は中東地域の緊張を急激に高め、米国はイランを戦争寸前の状態となった。
今回の1周年の行進は、イラク軍が、海軍の爆発物専門家により、2日前にアラビア湾の石油タンカーに仕掛けられているのが発見された機雷が無事解体されたと発表した直後というタイミングでもあった。
2日に出された声明は、イラク当局が事件の調査を開始したと述べている。爆破計画の犯行声明を出しているグループはない。
この発表の前日にイラク当局は、SOMO(State Oil Marketing Organization)として知られるイラクの石油マーケティング会社から借りたタンカーが、別の船舶に燃料を補給している際、側面に仕掛けられた機雷を発見したという民間警備会社による報告を確認していた。発表では、イラクのチームが機雷の解体に取り組んでいたとしている。
イラク当局はこれ以上の詳細を明らかにしていないが、報告を行った民間警備会社2社は、機雷は、リベリア籍船のタンカーであるMT Pola号で発見され、リムペット機雷である可能性が高いと述べた。
リムペット機雷は、通常は特殊部隊のダイバー隊員により、船の側面に取り付けられる機雷の一種である。後で爆発し、船舶に重大な損傷を与えることができる。
この事件は、米国のドナルド・トランプ政権の最終期にイランと米国の間の緊張が高まっている中で発生した。
バグダッド近郊におけるソレイマニ司令官とアルムハンディス容疑者の殺害から1周年を迎えて、すでに米国は、トランプ政権の当局者がイランによる攻撃の可能性と呼んでいる懸念のため、B-52爆撃機の飛行演習を実施し、原子力潜水艦をアラビア湾に派遣している。
AP