
エフレム・コサイフィ
サラ・グラブ
ニューヨーク: 国連は、イエメン沖での老朽化した石油タンカーへの専門家の立ち入りについてフーシ派の許可を得るため、最善を尽くしていると述べた。
アントニオ・グテーレス国連事務総長の報道官であるステファン・ドゥジャリック氏は、民兵組織のリーダーであるモハメド・アリ・アル・フーシ氏が、同船から大規模な石油漏れが発生した場合、国連が「全面的に責任を負う」と述べたことを受けて発言した。
アル・フーシ氏の告発とはうらはらに、同氏は「時限爆弾」とも言われるFSOセーファー号への立ち入りを何度も拒否している。
ドゥジャリックは、同グループとの話し合いは続けているものの、「公の声明を介して交渉を行うのは有益ではない」と述べている。
「タンカーへの専門家の立ち入りを強く望んでいます。私たちは、可能な限りのことをしますし、私たちが現在交渉中のフーシ派の人々との話し合いを通じて、できるだけ早く実現するために、あらゆる手段を模索し続けます」
セーファー社のタンカーは、2015年の紅海沿岸の都市ホデイダ制圧の際にフーシ派の手に渡った。タンカーの構造的な状態は年々悪化しており、大規模な漏洩事故の恐れがある。1989年のエクソン・バルディーズ号の石油事故の4倍の量の石油を流出させる可能性があると国連は警告している。
アル・フーシ氏は、ツイートで次のように述べている。「国連がセーファー号が漏洩事故によって(環境災害を引き起こす)危険性が高いと述べたことを受け、我々は専門家を派遣して修理してほしいと要請した」
さらに、「何の反応もないまま、何ヶ月も何日も経ってしまった。漏洩事故が起きた場合、国連が全面的に責任を負うことを繰り返し強調する」と述べた。
同氏の発言は、国連の担当者によっていらだちをもって受け取られているはずである。フーシ派は、第三者の船への立ち入りを何度も妨害しているからだ。
老朽化したタンカーは、約114万バレルの石油を積んでおり、もし事故があれば、紅海で壊滅的な環境的・人道的災害を引き起こすことになる。
先週、イエメン政府は国際社会に対し、セーファー号の漏洩、沈没、爆発による壊滅的なリスクを繰り返し警告した。
「フーシ派は、FSOセーファー号を時限爆弾として利用し、政治的・物質的な利益を得るために、国際社会を脅迫し圧力をかける手段としています。残念ながら、フーシ派は、今後起きると予想される環境的、経済的、人道的な災害には関心がありません」と、ムアンマル・イリヤニ情報相はアラブニュースに語った。
同大臣は、国際社会に対し、技術チームがタンカーの状態を評価することを許可するよう、フーシ派に働きかけることを求めた。
国連は以前にも、タンカーの維持管理をめぐるフーシ派民兵との交渉は2年間も行き詰っていると述べていた。