
ベイルート:レバノンの大統領は火曜日、イスラエルと紛争中の海洋権益を拡大する法令案は暫定政府の承認を得る必要があると述べ、大統領による迅速な承認を求める要求を拒否した。
イスラエルとの海洋境界線をめぐる紛争は、東地中海の天然ガスが豊富に存在する可能性のある地域での炭化水素探査を妨げている。
月曜日にレバノンの暫定首相、国防相、公共事業相によって承認されたこの法令は、レバノンが主張する東地中海の排他的経済水域を約1,400平方キロメートル(540平方マイル)拡大するものだ。
ハッサン・ディアブ暫定首相の事務所は、レバノンの主張を示す新しい海洋座標を国連に提出するために、この法令はミシェル・アウン大統領によって承認されるべきだと述べた。
しかし大統領府は、8か月前にベイルートで起きた壊滅的な爆発事件で政府が総辞職しているが、この問題の重大性を考慮して、ディアブ内閣の全閣僚による承認を得るべきだとしている。
「法令案は、その重要性と生じる結果のため、たとえ暫定政権下であっても、閣僚会議の全体的な決定が必要」とアウン氏の事務所は声明で述べた。
アウン大統領の決定はプロセスを大幅に遅らせる可能性がある。8月に政府が辞任して以来、政府はすべての法令の発布を大統領による例外的な承認に委ねており、新政府が最終的に合意されたときに正式な承認を得ることになっている。
イスラエルとの紛争を解決するために10月に交渉が開始されたが、米国による3年間の外交の集大成であるこの交渉は、その後停滞している。
イスラエルはすでに海底ガス田からガスを汲み上げているが、レバノンはまだ自国の海域に商業用のガス埋蔵物を発見していない。
イスラエルのエネルギー相ユバル・シュタイニッツ氏は月曜日、レバノンの主張の拡大は共通の解決策に向けた取り組みに役立つどころか協議を頓挫させるものだと述べ、イスラエルは「同等の措置」を実施すると警告した。
1975年から1990年にかけて行われた内戦以来、最悪の経済危機に直面するレバノンは、安定性を脅かす深刻な金融危機の渦中にあり、必死で現金を求めている。しかし、政治指導者たちは意見の対立をを乗り越えた新政府を樹立することができずにいる。
ロイター通信