
ミシガン州ディアボーン:5月18日(火)、 ジョー・バイデン大統領が、大統領選で彼を勝利に導いた激戦州の一つを再び訪れた際、中東における急な戦闘の激化に対するバイデン政権の対応について、激しい怒りを買った。
バイデン大統領が電気自動車推進のためにミシガン州ディアボーンにあるフォード自動車の工場を訪問した際、バイデン政権のイスラエルに対するアプローチについての抗議行動に直面した。8日前にパレスチナの武装軍団が発射したロケット弾に応戦して、イスラエルがガザ地区を攻撃しているからだ。
ミシガン州におけるアラブ系米国人コミュニティの中心地ディアボーンでの集会では、千人以上の人々がバイデン大統領のイベント会場から数マイル先のところに集結し、この民主党大統領の名前を言及して非難の声を上げた。
5月10日に衝突が勃発して以来、イスラエルが人口の密集するガザ地区に昼夜に 渡って空爆し、一方イスラエル各市の住人らは、武装軍団によるロケット弾から逃れるために数時間または数分おきに避難所や安全な部屋(ある場合は)へ駆け込んでいる。
バイデン大統領はイスラエルとハマス(パレスチナ領土内のイスラム教過激派グ ループ)の間の1週間以上に及ぶ衝突について、個人的に停戦を迫られている。彼の側近らによると、彼らは裏外交によって衝突を終わらせるよう詰め寄っていると いう。
これは一部の民主党支持者にとって十分といえない。彼らはバイデン大統領に、この衝突中パレスチナ領土で出た圧倒的多数の死傷者について糾弾してほしいのであり、激動の中東における米国の最も親しい同盟国イスラエルに兵器や支援を提供していることについて考え直してもらいたいのだ。
「バイデン大統領はイスラエルを支持すべきではない」とダウッド・アリー氏(21)が抗議運動で述べた。
アリー氏はバイデン氏に投票したが、彼はそれを後悔しているという。
壇上のスピーカーらも同様の気持ちを表明し、一旦はバイデン氏に機嫌を取られ、後になって軽視された、と感じているという。
ロイター/イプソスによる世論調査によると、バイデン大統領は2020年の大統領選で共和党のドナルド・トランプ大統領に8%の差をつけてイスラム教徒の票を勝ち取った。トランプ氏はあらゆる面でイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の熱烈擁護者であった。
イスラム系米国人の投票団体Emgageによると、ミシガン州の有権者の投票率は2016年の大統領選の65%から2020年には6%上昇して71%となったという。
バイデン氏の大統領選挙キャンペーンは熱心に彼らの指示を求め、ミシガンのようなスイング・ステートはかなりの票をバイデン氏に与え、民主党と共和党の間で僅差となった。
コミュニティの指導者らとのミーティング
ここ数日、現政権は衝突に対する対応についてアラブ系米国人やイスラム教徒のコミュニティの中の憤りを鎮めようと努めている。
5月17日(月)、バイデン大統領の上級側近であるセドリック・リッチモンド氏がアラブ系米国人、パレスチナ系米国人、イスラム教徒コミュニティの指導者たちと会見した。
この週末、ホワイトハウスはイスラム教のイードの祝日を祝うイベントとして企画していた当初の陽気なプランを破棄し、代わりに厳粛な平和への願いをささげ、現政権の外交努力に関する最新情報を報告した。
「パレスチナとイスラエル双方は等しく安全で平和な生活を営み、同等の自由と繁栄と民主主義を謳歌する権利を有する」とバイデン大統領がイベントの場で述べた。そのイベントはいくつかのイスラム教グループがボイコットしている。
ミシガン州を訪れたバイデン大統領はラシダ・タリーブ米下院議員と会見した。彼女は民主党進歩派でパレスチナ系米国人女性として初めて国会議員となった。
タリーブ氏の盟友によると、彼女は大統領に対し「パレスチナ人民の人権は交渉の切り札ではない。それは保護されるべきものであり、交渉の対象となってはならない」と述べたという。
「あなたのおばあ様とご家族がご無事に過ごされるよう祈ります」とバイデン大統領はタリーブ氏に後の公開イベントの席で述べた。「約束します、ウェストバンクで彼らが平和でいられるよう最善を尽くします。あなたは闘う人だ。そのことを感謝しています」
ロイター