
国際連合:アントニオ・グテーレス国連事務総長は、水曜日、安全保障理事会に対し、シリアへの越境支援活動をもう1年間更新するよう訴え、そうしなければ何百万人もの人々に壊滅的な打撃を与えることになると警告した。
グテーレス氏は、7月10日に期限切れとなる長期にわたる支援活動の任務更新を巡って、欧米諸国とロシア、中国との間で来月に行われる可能性のある対決を前に、15か国からなる安保理で演説を行った。
「安保理の承認を延長できなければ、壊滅的な結果を招くでしょう」とグテーレス氏は発言した。
安全保障理事会は、2014年にシリアへの4か所からの越境支援活動を初めて承認した。しかし、昨年、この4か所全ての更新を巡るロシアと中国の反対により、トルコからシリア北西部の反政府勢力の支配地域に通じる越境ポイント1か所に縮小された。
安保理で拒否権を持つロシアは、シリアのバッシャール・アサド大統領と同盟関係にあるが、首都ダマスカスからシリア北部に支援物資を届けることができると主張し、この越境支援活動の重要性を疑問視している。
中国の張潤国連大使もまた、シリアに対する一方的な制裁の問題を挙げ、会議に先立ち記者団に次のように語った。「中には、私たちは人道的状況を懸念しているという一方で、一方的な制裁を続けている人もいます。これは本当に偽善的です。」
国連や援助団体は、シリアへの国境を越えた援助物資の輸送には代替手段がないと警告している。
「承認の延長ができなければ、深刻な結果を招くことになるでしょう。それは、北西部の340万人の困窮する人々の命を救う援助を中断することになります。そのうち数百万人はシリアで最も弱い立場にある人々なのです」と国連のラメシュ・ラジャシンガム援助調整官代理は、水曜日の理事会で発言した。
アイルランドとノルウェーは、近日中に決議案を配布する予定であり、これは「差し迫った人道的ニーズに対応するため、人道的援助の提供メカニズムを更新し、拡大するものとなるでしょう」と、アイルランドのジェラルディン・バーン・ネイソン国連大使は語った。
理事会の承認を延長する決議には、9か国の賛成票と、ロシア、中国、米国、フランス、英国の常任理事国5か国いずれからも拒否権の行使がないことが必要となる。
この10年間、シリアへの対応を巡っては安保理の意見は分かれており、シリアの同盟国であるロシアと中国が欧米のメンバーと対立してきた。ロシアはシリア関連の16の決議案に拒否権を行使しており、またその多くは中国の支持を受けている。
ロイター