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OIC、イスラム嫌悪に世界全体で対処するよう訴え

イード・アル・アドハーの期間中、ストックホルムのモスクの外にいるサルワン・モミカ氏(2023年6月28日)。(AFP)
イード・アル・アドハーの期間中、ストックホルムのモスクの外にいるサルワン・モミカ氏(2023年6月28日)。(AFP)
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03 Jul 2023 03:07:44 GMT9
03 Jul 2023 03:07:44 GMT9
  • 事務総長は宗教的嫌悪を止める国際法をすぐにも成立させる必要性を力説

ナダ・ハミード

ジェッダ:2日、イスラム協力機構の理事会がジェッダで開かれ、イード・アル・アドハーの初日にスウェーデンのストックホルムにある中央モスクでコーランが燃やされた事件から生じた状況について議論した。

6月28日、イラクからの難民であるサルワン・モミカ氏(37歳)がコーランを冒涜し、ページに火を放った。この行為に対し、イスラム教やアラブの世界では激しい怒りや非難の声が広がった。

OICのヒセイン・ブラヒム・タハ事務総長は、将来的に同様の行為を防ぐため、団結して集団的な対応をするように加盟国に求めた。

OICはモミカ氏の行為を毅然と非難し、「人々の相互の信頼や、寛容と穏健な姿勢を醸成する世界的な努力を損なうもの」としている。

タハ事務総長は「コーランの冒涜や預言者ムハンマドへの侮辱はイスラム恐怖症の通常の事件ではない」との明確なメッセージを伝えることの重要性を力説した。そして、国際社会が宗教的な嫌悪の助長を明確に禁止する法律を成立させることの必要性を強調した。

OICのヒセイン・ブラヒム・タハ事務総長は、将来的に同様の行為を防ぐため、集団的な対応をするよう加盟国に求めた。(OIC)

OICのサウジアラビア代表を務めるサレハ・ハマド・アル・スハイバニ氏は「この緊急会合から、こうした卑劣な行為を止めるための価値のある成果や実のある結果が生まれることを願う」と述べた。

同氏は「言論や表現の自由という誤った口実の下」、スウェーデンで同様の事件が起きたのは4度目だと指摘した。

そして、「繰り返されるこれらの行為を王国は強く非難し、とがめる。こうした行為はいかなる理屈においても受け入れがたく、憎悪や排除、人種差別をあからさまに煽っている。また、こうした行為は宗教の教義や、平和と団結を唱えるすべての世界的な合意に反している」と述べた。

OIC加盟国は一体となって事件を非難し、トルコやパキスタン、カメルーン、ガンビアなどの国が強い非難を表明した。大使や他の代表も、会合の中で反対の意思や懸念を示した。

OICのトルコ常任代表であるメフメト・メティン・エケル氏は「言論や表現の自由を口実に、私たちの神聖な価値に対するこうした挑発的攻撃がありながら」、スウェーデンが何もしないのは受け入れがたいと語った。

そして、「私たちは、この犯罪を犯した者に対し、スウェーデン当局が必要な法的措置を取るように抗議した。また、このような挑発行為の再発を防ぐため、国際社会が具体的な措置を取るように求める」と続けた。

エケル氏は、国連が3月15日を「イスラム恐怖症と闘う国際デー」にする決議を採択したことは、「正しい方向への1歩」だとした。

同氏は、この問題について周知をはかったり、イスラム嫌悪に効果的に対処する目的で加盟国や潜在的なパートナーを動員したりするため、OIC本部でのイベント開催を提案した。さらに重要な場所として、イスラム嫌悪による攻撃が頻繁に起きている国でのイベント開催も提言した。

OICのパキスタン常任代表であるサイード・ムハンマド・ファワード・シェール氏は、パキスタン政府は「イード・アル・アドハーという神聖な機会における、この無慈悲な行為」を強く非難すると述べた。

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