
ベイルート:レバノンの首相候補ナジブ・ミカティ氏は28日、ミシェル・アウン大統領から閣僚候補の大筋承認が得られた直後に、内閣発足への期待を示した。
昨年8月4日にベイルートの港湾地区で起きた爆発で200人以上が死亡し、首都の大部分が破壊されたことを受けてハッサン・ディアブ首相が内閣総辞職して以来、実業家のミカティ氏は3人目の首相候補となる。アウン大統領との会談を終えたミカティ氏は、記者団の対応に当たった。
ディアブ政権は暫定政権として職務に当たっているものの、レバノンは通貨危機や雇用喪失、銀行口座凍結といった、1975年から1990年まで続いた内戦以降で最悪の危機を迎えている。
「アウン大統領は私の提案の大部分を承認し、向こうからは許容範囲の提案があった。万事うまくいけば、まもなく内閣発足できるだろう」と、ミカティ氏は述べた。
ミカティ氏は過去に首相を2度務めた人物で、レバノンの大半の指導者とは異なり、政党連合に属さず、有力一族の出身でもない。
前回の候補者であるサアド・アル・ハリーリ氏と同様ミカティ氏は、宗派間の権力分有制度が敷かれる政府を統制し、世界最大規模の負債を抱えるレバノンの経済危機に対応する態勢が整った内閣発足の合意を確保しなければならない。
ロイター