
アラブニュース
リヤド:アラブ首長国連邦は月曜、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領の訪問中に、イエメンのフーシ派武装組織が発射した弾道ミサイルを迎撃したことを発表した。
ミサイルの残骸は市街地の外に落下したため、この攻撃による被害はなかったというUAE国防省の声明を通信社WAMが伝えた。
UAE空軍はその後、「イエメンの正当性回復を目指す」連合軍と共にイエメンのジャウフ県にあるミサイル発射場を破壊したと、声明は伝えている。
UAE国防省は「いかなる脅威にも対応できる万全の準備」をしていると断言し、「UAEを攻撃から守るために必要なあらゆる方策を講じる」つもりだとした。
月曜にUAE総合民間航空局は、直近のフーシ派の凶行は地域で最も通行の多い航空路の交通に影響を及ぼさなかったと国民に請け合った。
「国内の航空交通は通常どおりで、全フライトが平常運行を行っている。テロリストのフーシ派武装組織が発射した弾道ミサイルによるフライトや空港への影響はない」と当局は述べた。
今回のフーシ派による攻撃は、イスラエルのヘルツォグ大統領が地域の関係強化を目的としてアブダビに到着した数時間後に行われた。
UAEはバーレーンと共に、米国の仲介によるイスラエルとの国交正常化協定「アブラハム合意」に2020年に署名した。湾岸地域の両国とイスラエルはイランおよび地域のイラン同盟勢力に関する懸念を共有している。
ヘルツォグ氏はUAEの事実上の統治者であるシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子と安全保障および両国関係についてアブダビで話し合った。
アブダビでその晩を過ごしたヘルツォグ氏は、フーシ派の攻撃があったもののUAEの訪問を続ける予定だと同氏の事務所が伝えている。月曜には「2020年ドバイ国際博覧会」を訪れる予定になっていた。
イスラエルのナフタリ・ベネット首相は12月に初めてUAEを公式に訪問し、シェイク・ムハンマド皇太子と多方面での関係強化ついて話し合った。
今回のミサイル攻撃はフーシ派のイェヒア・サレイ(Yehia Sarei)軍部報道官がツイッター上で、UAE内陸部に対する新たな軍事作戦の詳細を数時間のうちに明らかにすると豪語した直後に行われた。
1月17日にアブダビ国営石油会社の燃料貯蔵施設がイランの支援を受ける武装テロ組織フーシ派からドローンとミサイルによる攻撃を受け、3名が死亡、6名が負傷した。月曜に行われた2度目のミサイル攻撃は阻止されている。
UAEを標的とした一連のミサイル攻撃は、フーシ派が圧力に直面し、戦場において大きな敗北を喫する中で行われた。UAEが支援するGiants Brigadesの援助のもと、イエメン政府軍は今月シャブワ県を奪還し、イエメンの北部全体を支配下におさめようとするフーシ派の企てに打撃を与えた。
武力衝突の過程でUAE軍には死者がでていたが、今月に入るまでは多数の外国人労働者をかかえるUAEの広範囲における日常生活に戦争の直接的な影響はなかった。
AP・ロイターと共同