

ラエド・オマリ
アンマン:ヨルダンのアカバ港で月曜日、有毒塩素ガスの充填されたタンクがクレーンから落下し、少なくとも12名が死亡、250名以上が負傷した。
死傷者のうち8名はヨルダン出身で、他の4名は他国出身である。
爆発の勢いでトラックは港側に転がり落ち、頭上には黄色いガスが立ち込め、港湾労働者は必死で逃げ出した。
近隣地区の人々は避難し、また住民はドアや窓を閉めて密閉し、外出を控えるよう呼びかけられた。
公安部の広報担当者アメル・サルタウィ氏は「専門家と民間防衛の危険物取扱チーム」がこの事故の対応にあたっていると述べた。
ビシュル・ハサーウナ首相とマゼン・アル・ファラヤ内務大臣は直ちに現場に向かい、負傷者の一部が治療を受けている病院を訪問し、事故の調査チームを編成した。
この事故はジブチに輸出する25トンの塩素ガスが充填されたタンクが輸送中に落下したために起こった。ビデオ映像ではクレーンがトラックからタンクを吊り上げ、その後タンクが船の甲板に落下し爆発した様子が映し出されている。
負傷者は2カ所の国立病院、1カ所の民間施設と野外病院に搬送された。
アカバ保健局長のジャマル・オベイダット氏は、この地域の病院は満床でこれ以上の患者の受け入れはできないと述べた。「負傷者は中程度から重篤な状態である」と同氏は話した。
アカバ港はヨルダン唯一の海洋ターミナルで、輸出入の重要な中継地点となっている。アカバのビーチもメジャーな観光地であり、月曜日の事件後に避難が行われた。
胸部疾患コンサルタントのモハメド・アル・タラウネ医師は、塩素ガスは非常に有毒で、漏洩したガスは爆発のあった周辺地域に甚大な影響を及ぼす恐れがあると述べた。
同医師によると、ガスに接触すると粘膜の炎症や皮膚に赤い発疹ができる恐れがあり、ガスを吸い込むと肺炎や食道の火傷、下痢、頭痛、視覚障害、失神などを引き起こす可能性があるという。
サウジアラビアは犠牲者の家族に哀悼の意を表すると、国営サウジ通信が火曜早朝に外務省の声明を引用して伝えた。
サウジアラビアは負傷者の早期回復を願うとともに、ヨルダンの安全、平和、安定を希望している。
米国は爆発の犠牲者家族に弔慰を表した。ヘンリー・ウースター米国大使は「この悲劇に立ち向かうヨルダン政府を支援する用意ができています」と述べた。「アカバにいる全米国市民に、全ての公衆衛生上の指導に従うよう要請します」
湾岸協力理事会(GCC)の理事局長ナイーフ・ファラー・ムバラク・アル・ハジュラフ博士も哀悼の意を表した。「GCCはこの困難な時期にあるヨルダン政府とヨルダン市民を支援します」と述べた。