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「息子を取り戻したい」:モロッコ人の父親がプーチンに嘆願

2022年6月27日、モロッコの首都ラバトの記者クラブで、ウクライナの親ロシア派の裁判所から死刑を宣告されたモロッコ人ブラヒム・サードゥン氏の父タヘル・サードゥン氏が記者会見を行った。(AFP)
2022年6月27日、モロッコの首都ラバトの記者クラブで、ウクライナの親ロシア派の裁判所から死刑を宣告されたモロッコ人ブラヒム・サードゥン氏の父タヘル・サードゥン氏が記者会見を行った。(AFP)
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28 Jun 2022 06:06:22 GMT9
28 Jun 2022 06:06:22 GMT9
  • 西側諸国はこの裁判をいんちきであり、戦争法規に違反していると非難したが、ロシア政府高官は刑の宣告に支持を表明した

モロッコ・ラバト:ロシアが支援するウクライナの分離主義者に捕らえられ、死刑執行に直面しているモロッコ人の父親が27日、息子を銃殺隊による処刑から救うために「父親として」介入してほしい、とロシアのウラジーミル・プーチン大統領に訴えた。

「あらゆる父親がそうであるように、私は息子を取り戻したい」と、モロッコの首都ラバトでタヘル・サードゥン氏が記者団に語った。

サードゥン氏はモロッコ政府に対しても、6月9日に2名の英国人、エイデン・アスリン氏とショーン・ピナー氏ともども死刑を宣告された21歳の息子ブラヒムさんのために、交渉を行うことを求めた。彼らはロシアが支援するウクライナの反政府勢力から刑の宣告を受けた最初の外国人戦闘員である。

自称ドネツク人民共和国の裁判所は、3人全員にテロと憲法秩序の転覆を図った罪で有罪判決を下した。上訴のために1カ月の猶予を与えられているが、上訴しなかった場合には7月初めにも処刑される可能性がある。

2022年6月9日(木)、ウクライナ東部のドネツク人民共和国政府の支配地域にあるドネツクの法廷で、鉄格子の奥に座っている、2名の英国市民、エイデン・アスリン氏(左)とショーン・ピナー氏(右)と、モロッコ人サードゥン・ブラヒム氏(中央)。(AP)

西側諸国はこの裁判をいんちきであり、戦争法規に違反していると非難したが、ロシア政府高官は刑の宣告に支持を表明した。

裁判所はサードゥン氏が傭兵であると主張したが、同氏の父親は、同氏がウクライナ正規軍に入隊しており、拘束時にウクライナ軍の公式の軍服を着用し、ウクライナ政府に帰属するシリアルナンバーが付された武器を携帯していたと主張している。

ドネツク共和国の自称「外務大臣」ナタリア・ニコロノヴァ氏は27日、3名の死刑囚はまだ誰も恩赦を申請していない、とロシア国営テレビに語った。

父親は、事態が少し落ち着いたら、息子についている現地の弁護士が上訴状を提出すると語ったが、その日付については言及しなかった。英国人アスリン氏の弁護士は、同氏が本人の今後の状況に関して悲観的な思いになっており、英国当局は上訴についてドネツク人民共和国と接触していない、と語った。

サードゥン氏の父親は、プーチン氏とドネツク共和国の指導者に手紙を書き、息子のために介入してくれるように嘆願していると述べた。

対話を追求するために「NGOや人道組織を活用して、父親として介入してくれるように、ロシアのプーチン大統領に訴えている」と、タヘル・サードゥン氏は述べた。「ロシアはドネツク共和国を支援しているのであり、説明責任がある」

ブラヒム・サードゥン氏の母親は、ラバトのロシア大使館を訪れた。「大使館は私たちを温かく歓迎してくれ、事件の概要を説明してくれた」と、父タヘル・サードゥン氏は述べた。また、ドネツクの裁判所を「信頼」しており、息子が捕らえられた時に命を救ってくれたことについてロシアに「感謝」していると述べた。

モロッコ王立憲兵隊の退役隊員である父親は、息子の状況についてモロッコ政府内の誰からも話を聞いていないが、「私は税金を納めており、国を守るために武器を携帯した軍人なのだから」政府は連絡をとりに来てしかるべきだと語った。

「モロッコの総理大臣には、介入し、あらゆる公式・非公式のチャンネルを介して対話を行うことを求める」

モロッコ外務省は今月初めに出された声明で、サードゥン氏はウクライナの市民権を取得し、「本人の自由意志で」ウクライナ軍に入隊し、「国際連合にもモロッコにも承認されていない団体」によって収監されている、と述べている。声明は、同氏の釈放に向けた取り組みの可能性については触れていない。

家族はブラヒム・サードゥン氏に独自の弁護士をつけることと、自分たちが刑務所を訪れ本人と面会することを求めている。逮捕以後、まだ本人と話をしていない。

「息子に会い、自宅に連れ帰ってくるために、最初の航空便に乗り込む準備はできている」と父親は語った。

メクネス市に生まれたブラヒム・サードゥン氏は、父親によると、よく本を読み、学校の成績も良く、飛行クラブやスカイダイビングクラブに所属した。アラビア語以外に英語とフランス語を学び、12歳の時にロシア語を始め、特にアニメや「ロシア・トゥデイ」などのニュースチャンネルを見ていたという。

高校卒業後にロシアで航空宇宙科学を学ぶことを家族は希望していたが、最終的にロシアではなくウクライナを選択したのは費用が安いことが理由だった。

ブラヒムさんは2019年にウクライナに渡り、ウクライナ語を身に着け、翌年、キーウの航空宇宙科学院で学び始めた。

父親によると、息子はウクライナ滞在中に、フィンランドにいる姉やモロッコの家族と定期的に連絡をとっていたという。ブラヒムさんの行動に変化がみられるようになったのは2020年のことで、軍服を購入し始めるようになった後だ、と父親は述べた。ブラヒムさんは2021年に家族とのビデオチャットをやめ、「この変化を隠そう」としているかのようだった、と父親は語っている。

連絡がしばらく途絶えた後に、家族はブラヒムさんが親ロシア派軍に逮捕されたことを知った。

息子が親ロシア派軍に捕らえられたと知って、少しほっとした、と父親は述べた。「少なくとも所在が判明」し、生存していることもわかった。

逮捕後に撮影された最初のビデオではブラヒムさんは健康そうに見えたが、その後のビデオでは、睡眠時間が少なく、体重も減っているように見えた、と父親は不安を表明した。

AP

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