
バサム・ザアザア
ドバイ: レバノン経済危機の中、望まない妊娠を理由に夫から暴行を受け火をつけられたレバノン人女性が命をかけて闘病中。
ハナ・モハメド・コドルさん(21)は全身やけどの重体となって病院に緊急搬送された。夫が家のガスボンベで火をつけたとのことだ。
地元メディアが報じたところによると、夫のA.A.(仮名)は中絶を拒否した妊娠5ヶ月の妻と喧嘩になり、大怪我となるほど殴りつけたとされる。
A.A.と妻は二人とも北部の都市トリポリの貧困層で、A.A.は経済的負担が増えるのを避けるために子供を望まなかったと言われている。
アラブニュースの取材に対しアル・サラム病院の医師は、コドルさんは8月6日に入院し「100%のやけどを負っている」と答えた。
医師は次のように話した。「申し上げた通り、今、彼女は命をかけて闘病中です。集中治療室で生死の境をさまよっています。事件当時ハナさんは妊娠5カ月でした。胎児は亡くなってしまったので、手術をして取り除かなければなりませんでした。彼女の生存確率はかなり厳しい状況です。」
医療報告書によると彼女は第Ⅲ度のやけどで生命維持装置につながれているという。主治医は日当の受け取りを辞退しているが、それでも貧しいコドルさん一家に400ドル/日の費用がかかる。この金額には治療、手術、再建手術の費用は含まれていない。
アル・サラム病院の医療報告書によると、もし彼女が生き延びたとしても、さらに3ヶ月の治療が必要となるとのことだ。
家族の友人であるアブドル・ラーマン・ハダッドはアラブニュースに、彼女の状況は「とても繊細で深刻」であり、病院の請求書はすでに数千ドルとなっていると語った。
彼女には毎日15個の血小板(輸血)が必要で、入院費用、医療機器、ICU治療費とは別に1個当たり100ドルかかります。彼女の実家は非常に貧しく、しかも彼女自身は若い女性です。。。彼らはいかなる医療援助も必要としています」とハダド氏は話す。
レバノン国内治安部隊は国外逃亡を計画していた夫を逮捕したと、ハダド氏は言う。
被害者の叔母は地元テレビ局の取材に対し、A.A.は妻をひどく殴りつけ胎児を堕ろすように強要したと語った。「彼女が堕胎を拒否すると家に連れ帰り、ガスボンベで火をつけたのです」と語った。
コドルさんの父親は一般市民に病院を訪れ、払える分だけでよいので治療費を払って娘の命を救って欲しいと呼びかけた。
医師のガブリエル・アル・サビー氏によると、コドルさんは病院に搬送されて以来、毎日何度も手術を受けているという。
「彼女は生命維持装置につながれており、毎日蘇生処置を受けています。やけどが深く、範囲も体の大部分に及ぶため彼女の状態は極めて深刻です」と同医師は補足した。