
アラブニュース
ロンドン:CIAは、パレスチナの著名な6つの人権団体が「テロ組織」だとするイスラエルの主張を裏付けるいかなる証拠も発見できなかった。情報機関関係者がガーディアン紙に語った。
昨年10月、イスラエル政府は以下の団体に、テロに関係しているというレッテルを貼った。アダミア囚人支援・人権協会、アル・ハーク、ビザン研究開発センター、国際児童防衛協会パレスチナ、農業労働委員会連合会、パレスチナ女性委員会連合である。
イスラエルは、これらの団体がパレスチナ解放人民戦線(準軍事部門を有するパレスチナの左翼政党)のフロント組織だと主張した。
2つの情報筋がガーディアン紙に語ったところによると、イスラエルはこれらの団体をテロ関連組織に指定するという決定に関して米国のパートナーに情報を共有したが、CIAが独自に調査したところイスラエルの主張を裏付ける証拠は発見できなかったという。
このCIAによる調査について知る一方の情報筋がガーディアン紙に語ったところでは、CIAの報告は「これらの団体に何らかの罪があるとは言っていない」という。
もう一方の情報筋によると、この調査内容は高レベルのセキュリティー保護に分類されている。
米国はイスラエルによる評価を公には批判していないが、同国の安全保障機関はこれら6団体のいずれをもテロ組織には指定していない。他の欧米諸国の情報機関もイスラエルによる評価に同意していない。
ヒューマン・ライツ・ウォッチのイスラエル/パレスチナ責任者であるオマル・シャキル氏はガーディアン紙に対し、「米国はイスラエル政府に対し、テロ組織指定を解除し、これらの団体が重要な活動を続けることを許可するよう明確に要求すべきだ」と語った。
「イスラエル政府による極めて深刻な虐待に対し、米国があまりにも長い間見て見ぬふりをしており、場合によってはゴーサインさえ出しているという現実がここにある」
「パレスチナの人権団体に対する姿勢は、イスラエル・パレスチナ問題についての米国政府の政策のはるかに大きな失敗を浮き彫りにしており、人権運動のコンセンサスから米国が大きく外れていることを示している」
テロ組織指定に対する外国政府からの支持がないにもかかわらず、イスラエルは依然としてこれら6団体を標的にしている。
ヨルダン川西岸地区で先週木曜日、テロ組織に指定した全団体の事務所にイスラエル軍が押し入った。兵士らが各団体の備品を押収し、事務所の入り口を封印した。
この襲撃後、イスラエルによるテロ組織指定の証拠を米国政府が調査したと、米国防省のネッド・プライス報道官が発表した。
「昨年、イスラエル政府がこれらの団体をテロ組織に指定した」と同報道官は述べた。「我々はいかなる指定にも同意しておらず、またこれらの組織へのアプローチにも変更はない」
ガーディアン紙はイスラエルの決定に関するCIAの調査について質問したが、同報道官からの回答はなかった。CIAからも回答は得られなかった。
前出の2つの情報筋からコメントを得たのは、先月EU9ヶ国がテロ組織指定についての共同声明を出した後だった。この声明は「これらパレスチナNGO6団体に対する我々の政策の見直しを正当化するような実質のある情報はイスラエルからは得られなかった」と述べていた。
同じく先月、米連邦議会の民主党議員22人がアントニー・ブリンケン国務長官およびアブリル・ヘインズ国家情報長官に、報告をめぐってイスラエルに異議を唱えることを求める書簡を送った。
書簡はこう述べている。「イスラエルの決定を支持する証拠が得られなかったという報告は、この決定がパレスチナの著名かつ不可欠な人権団体を犯罪者にしてその口を封じることを狙った深刻に抑圧的な措置なのではないかという懸念を抱かせる」