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サウジ人女性とクウェート人女性、一生に一度の冒険に乗り出す

パシフィック・クレスト・トレイルを踏破中のハヤ・アル・サマリさんとファイ・アル・オムランさん。2人は、この旅によってアラブ人女性が世界における有力な存在として確立されると期待している。(Photo/Instagram/ mykindofridays)
パシフィック・クレスト・トレイルを踏破中のハヤ・アル・サマリさんとファイ・アル・オムランさん。2人は、この旅によってアラブ人女性が世界における有力な存在として確立されると期待している。(Photo/Instagram/ mykindofridays)
2人は、1日平均32km歩いて9月末か10月頭までにPCTを踏破することを目指している。(提供写真)
2人は、1日平均32km歩いて9月末か10月頭までにPCTを踏破することを目指している。(提供写真)
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11 Jul 2023 08:07:11 GMT9
11 Jul 2023 08:07:11 GMT9

サーレハ・ファリード

ジェッダ:長年の友人同士であるサウジ人のハヤ・アル・サマリさんとクウェート人のファイ・アル・オムランさんは、自分たちの一生に一度の冒険であるパシフィック・クレスト・トレイル(PCT)のハイキングが他の人たちを鼓舞し、アラブ人女性を冒険の世界における有力な存在として確立するうえで重要な役割を果たすと信じている。

この2人の女性は、ランニング、フリーダイビング、サーフィン、スカイダイビング、ハイキング、キャンピングなどのアクティビティに対する情熱により湾岸地域ではよく知られている。そんな2人は今、米西海岸をメキシコとの国境からカナダとの国境まで貫く世界最長のスルーハイクの一つであるPCTに挑戦している。

踏破に5~6ヶ月かかるPCTは、全長4265kmで、26の国有林、7の国立公園、5の州立公園、33の連邦指定ウィルダネス地域にまたがっている。2人は、1日平均32km歩いて9月末か10月頭までにPCTを踏破することを目指している。

パシフィック・クレスト・トレイルを踏破中のハヤ・アル・サマリさんとファイ・アル・オムランさん。2人は、この旅によってアラブ人女性が世界における有力な存在として確立されると期待している。(Photo/Instagram/ mykindofridays)

メキシコからカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州を通ってカナダに至るPCTは、三大長距離自然歩道の中で2番目に長いトレイルとされる。冒険好きなハイカーたちは挑戦を求めて、シエラネバダ山脈とカスケード山脈を通るこの高地のルートを、灼熱の砂漠から雪で覆われた山々まで、米国内で最も美しく多様な風景の中を通りながら旅する。

アル・サマリさんとアル・オムランさんは4月1日、他の多くの人々と同じく米国とメキシコの国境近くのカンポ・トレイルから冒険を開始した。

スポーツと自然は私にとって人生であり、情熱であり、ストレス解消法です(…)切り抜けるのに精神的・肉体的にものすごく根性が必要だった苦しい状況もいくつか経験してきました。それでもパシフィック・クレスト・トレイルが特別なのは、マインドセットの完全なシフトが必要な長期プロジェクトだからです。

ハヤ・アル・サマリ(サウジの冒険家)

2人はインスタグラムなどのソーシャルメディアで自分たちのハイクの様子を記録している。インスタグラムアカウントのフォロワー数は、アル・サマリさん(@mykindoffridays)が6万3000人以上、アル・オムランさん(@laughwithfai)が1万1000人以上だ。2人はトレイルでの生活の詳細をシェアしており、睡眠方法や食べる物のほか、旅の途中で出会った驚きや自然の美しい風景など、あらゆることについてコンテンツを作成している。

サウジの冒険家、ハヤ・アル・サマリさん

2人は、出発前に友人や家族から「たくさんの励まし」を受け取ったと語る。

一生に一度の冒険を行っている2人だが、一緒に旅をするのはこれが初めてではない。過去7年間、様々な長期間の旅を2人で行っているのだ。

アル・サマリさんは、PCTへの挑戦のきっかけについてこう話す。「ファイは素晴らしい旅のパートナーです。彼女はいつも冒険に乗り気です。私は10年近く前からPCTへの挑戦を夢見ていたのですが、その機会がありませんでした。ある日、そのことについてファイと話した時、このクレイジーな夢を二人が共有していることに気づいたのです」

パシフィック・クレスト・トレイルを踏破中のハヤ・アル・サマリさんとファイ・アル・オムランさん。2人は、この旅によってアラブ人女性が世界における有力な存在として確立されると期待している。(Photo/Instagram/ mykindofridays)

「そして、実現の可能性を真剣に考え始めた時に私の方からこのアイディアを伝えたところ、ファイはやる気満々だったのです(…)私にとっては冒険であるこの旅に対してです」

アル・サマリさんとアル・オムランさんはアラブニュースに対し、カリフォルニアのシャスタ山とエトナ山に着いた時に次の冒険に行きたいと思ったと話す。

極限的な冒険が大好きなアル・サマリさんはこう語る。「10年以上前からハイキングをしています。ハイキングとトレイルランニングが大好きです。自然に囲まれて自由を肌で感じながら自分の肉体を試すのが大好きなのです。スポーツと自然は私にとって人生であり、情熱であり、ストレス解消法です」

パシフィック・クレスト・トレイルを踏破中のハヤ・アル・サマリさんとファイ・アル・オムランさん。2人は、この旅によってアラブ人女性が世界における有力な存在として確立されると期待している。(Photo/Instagram/ mykindofridays)

今回のトレイルについてはこう話す。「切り抜けるのに精神的・肉体的にものすごく根性が必要だった苦しい状況もいくつか経験してきました。それでもPCTが特別なのは、マインドセットの完全なシフトが必要な長期プロジェクトだからです」

「1日や2日で終わる短い冒険ではありません。何週間も続く旅なのです。この極限的な冒険に並ぶものは他にありません」

一方、自身のことを海を愛する者、砂漠の子供と呼ぶアル・オムランさんはアラブニュースに対し、これまでに多くの冒険を行ってきたがスルーハイクはこれが初めてだと語る。「海に入ったり、砂漠でキャンプしたり、森でハイキングしたりと、アウトドアはずっと大好きでした。それぞれの冒険に魅力があります。自然とつながることは、常に私の人生の大きな部分を占めています」

パシフィック・クレスト・トレイルを踏破するには平均的なスルーハイカーで5ヶ月かかる。(提供写真)

「困難はたくさんありますが、PCTは以前からいつか行ってみたいと願っていた冒険でした。私にとって、スルーハイクに行くことは自分の趣味をひとつ上のレベルに引き上げることなのです」

2人は今回のトレイルに出発する前、数えきれないほどの時間を費やして入念に準備を整えた。どのギアを持っていくかについて悩んだり、ルート説明や他のハイカーによる報告を熟読したりしていたという。

準備を整えるために必要だったことについて、アル・オムランさんはこう話す。「調査です。たくさん調査を行い、他の人の体験について話を聞きました。そして、母なる自然に身を委ねる感覚を持って旅を始めることです。肉体面で何か問題が起こった時は、より活動的になるよう努め、これから起こることに対して体の準備を整えます」

33歳のアル・サマリさんが続ける。「私は熱心なランナーです。マラソンやウルトラマラソンを何度か走った経験が自信を与えてくれました。長い距離でも足が自分を運んでくれるということが分かっているのです。今回のハイクを始める前、体幹と背中の筋肉に重点を置くよう筋力プログラムを調整しました。バックパックの重さに楽に耐えられるようにするためです」

パシフィック・クレスト・トレイルを踏破するには平均的なスルーハイカーで5ヶ月かかる。(提供写真)

カリフォルニア大学バークレー校の中央シエラ雪研究所の報告によると、今シーズンは運悪く、1946年以降で2番目に雪が多いシーズンだという。危険な状態にあるという理由で、このトレイルの区間の多くが閉鎖されている。

2人はハイクを続けるために雪が解けるまで待たなければならなかった。アル・オムランさんは語る。「今年は気象が最大の課題です。今年は雪が多いため、どうやって旅を続け、安全を保ち、旅を楽しむかを考えることが大きな部分を占めています」

アル・サマリさんは、PCTのどの部分を最も楽しみにしているかという質問に対して、シエラネバダを選んだ。全長628km強、総標高差5万7888フィートのこの山脈は、このトレイルのハイライトであり最も壮大な部分の一つだ。

彼女は続ける。「この標高に耐えられない人もいます。私たちの体がそうならないことを願います。最も辺鄙なところにあり、最も標高が高く、雪、川、熊なども最も多い山脈ですから。シエラを踏破できれば、最高に幸せで誇らしい気持ちになるとともに、息を呑む光景を目にすることができるでしょう」

一方、28歳のアル・オムランさんは別の部分を選んだ。「多様なトレイルなので全ての部分が楽しみですが、選ばなければならないのなら、シエラの直前にあるハイデザートです。見たことも行ったこともないような地形だからです」

まだ1600km以上残っている長い冒険を続けるための準備を進めている2人のアラブ人女性は、自分たちの旅は大冒険であるだけでなく、コンフォートゾーンから踏み出して自分自身と世界についてもっと知るよう他の人たちを鼓舞するものになると信じている。

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