
ベイルート:シリアでのコレラの発生は、内戦で荒廃した同国と中東地域の人々にとって深刻な脅威だ、と国連職員は13日に述べ、さらに感染者や死者が出るのを防ぐために緊急対策を取る必要があると付け加えた。
国連のシリア常駐人道調整官であるイムラン・リザ氏の声明は、複数の県で少なくとも5人が死亡、20数人が感染したというシリア保健当局の報告を受けて出されたものだ。
2011年3月にシリア内戦が始まって以来、同国のインフラは深刻な損害を受けており、一部地域の住民は清潔な水を入手できていない。シリア内戦では数十万人が死亡し、戦前の人口の半分にあたる2300万人が避難している。避難者の多くはシリア各地のテント村で生活している。
保健当局と協力者が行った迅速な評価に基づくと、感染源は、ユーフラテス川の安全でない水を飲み、汚染された水を作物の灌漑に使っている人たちと関係があると考えられており、その結果として食物汚染が起きた、とリザ氏は話した。
「コレラは依然として公衆衛生に対する世界的な脅威であり、不公平さを示すものだ」とリザ氏は述べ、今回コレラが発生したことで、シリアが深刻な水不足に苦しんでいることが示されたと付け加えた。
その声明によると、水を消毒する塩素処理活動が拡大しており、脆弱な地域や影響を非常に受けやすい地域では、コレラの蔓延を抑えるために投与速度を上げているという。
保健当局は12日、20数人のコレラ感染と少なくとも5人の死亡が報告された後、シリアの首都ダマスカスにある病院は警戒態勢に入ったと発表した。
北部アレッポ、地中海沿岸のラタキア、イラクとの国境沿いにあるデリゾールなど、複数の県で感染が報告された。
コレラが発生したのは、シリア内戦が11年前に始まって以来、初めてだ。
国連シリア事務所は援助国に対し、コレラの蔓延を抑制・防止するため、緊急追加資金を求めている、とリザ氏は述べた。
AP