
アラブニュース
ドバイ:月曜日未明、22歳の女性の死をめぐる激しいデモが行われている場所の一つであるイラン西部の都市で、銃撃と爆発と思われる音が街中に響き渡った。
活動家によると、近くの村では治安部隊により少なくとも1人が殺害されたという。
マフサ・アミニさんがテヘランで道徳警察に拘束され死亡した事件を受けたデモがイラン全国の都市、町、村で激化する中、今回の事件が起こった。
アミニさんは虐待を受けていないとイラン政府は主張しているが、彼女の体には痣や殴られた痕があったと遺族は証言している。
その後に出回った動画には、強制されているヒジャブを脱ぎ捨てるなどしたデモ参加者の女性たちを治安部隊が殴ったり押したりしている様子が映っている。
当局がインターネットを制限しているにもかかわらず、テヘランやその他の場所で撮影された動画がオンラインに公開されている。
デモが4週目に突入する中、ヒジャブを着けずに街を行進する女性たちや、当局に立ち向かったり路上で火を放ったりする人々をとらえた動画が出回っている。
現在のデモは、イランの神権体制にとって2009年のグリーン・ムーブメントのデモ以来最大の挑戦の一つとなっている。
クルド系人権団体「ヘンガウ」によると、月曜日未明の暴力事件はイランのクルディスタン州の州都サナンダジュと、イラクとの国境近くのサラス・ババジャニ村で発生した。
アミニさんはクルド系だったため、彼女の死は特にイランのクルド人地域で怒りを呼び、9月17日にこの地で行われた彼女の葬儀においてデモが勃発した。
ヘンガウが投稿した、サナンダジュのある地区で煙が立ち上る様子をとらえたとされる動画では、ライフルの銃撃音と思われる音が夜空に響き渡っている。
人々の叫び声も聞こえる。
この事件で死傷者が出たかについては、その時点ではコメントはなかった。
ヘンガウはその後、ライフルやショットガンの薬莢や使用済みの催涙ガスの缶と思われるものを集めて撮影した動画をオンラインに投稿した。
テヘランから約400キロメートル(250マイル)西にあるサナンダジュで月曜日未明に発生したこの事件について、当局は今のところ何の説明もしていない。
半国営のファールス通信が月曜日に伝えたところによると、クルディスタン州のエスマイル・ザレイ・コウシャ知事は、土曜日にに身元不明の集団が「街頭で若者たちを殺そうとした」と主張したが、証拠は示していない。
また、その名指しされなかった集団がその日に1人の若い男性の頭を撃って殺したと主張した。
活動家たちはこの攻撃はイランの治安部隊によるものだと激しく非難している。
彼らによると、この男性が治安部隊に向けて自分の車のクラクションを鳴らした後に、治安部隊がこの男性を銃撃したという。
クラクションを鳴らす行為は、活動家が市民的不服従を表明する方法の一つとなっている。
他の動画では、クラクションを鳴らされた機動隊が通行中の車のフロントガラスを叩き割っている。
サナンダジュから100キロメートル(60マイル)南西にあるサラス・ババジャニ村では、ヘンガウによると、デモに参加していた22歳の男性が治安部隊に繰り返し銃撃され、後にその傷がもとで死亡した。
この銃撃により他にも負傷者が出たという。
一連のデモとそれに対する治安部隊の弾圧による死亡者数は依然として明確には分かっていない。
9月24日の時点で少なくとも41人がデモで死亡したというのが、国営テレビが直近に示した人数だ。
それから2週間以上経つが、イラン政府による人数の更新はない。
ノルウェーのオスロを拠点とする団体「イラン・ヒューマン・ライツ」の推計によると、少なくとも185人が死亡している。
これには、イラン東部の都市ザーヘダーンで発生した暴力事件で死亡した推定90人が含まれる。
ロンドンを拠点とする団体「アムネスティ・インターナショナル」によると、治安部隊は9月30日に暴力的な弾圧を実行し子供を含む66人を殺害した。
この地域ではこの後も事件が発生しさらに死亡者が出た。
イラン当局は、ザーヘダーンでの事件には分離主義者らが関与したとしているが、名指しはせず、また詳細や証拠も提示していない。
一方、ラシュトではラカン刑務所で暴動が発生した。
ある検察官の話として伝えられるところでは、囚人数人が死亡した。
ラシュトではアミニさんの死以降の数週間激しいデモが行われているが、この刑務所の暴動がデモと関係があるのかは今のところ明らかではない。
半公式のメフル通信社がギーラーン州の検察官メフディ・ファラー・ミリ氏の発言として伝えたところでは、「(刑務所の)損傷により停電が発生していた時、負傷した囚人数人が死亡した」当局がこれらの負傷者に近づくのを囚人たちが拒んだという。
ミリ氏は、死刑囚を収監する棟で暴動が発生したと述べている。