
アラブニュース
ジェッダ:主要7ヶ国(G7)外相らは4日、イラン全土に拡大しているデモに対する体制の暴力的な弾圧を非難した。
ドイツで行われた会合の後、外相らは「我々は平和的抗議者に対する残酷かつ不均衡な力の行使を非難する」と声明を出した。
「我々は、全てのイラン国民が情報にアクセスする権利を擁護するとともに、イラン政府によるインターネットやソーシャルメディアの遮断などを通した、市民空間や独立ジャーナリズムの侵食および人権擁護者に対する攻撃に遺憾の意を表する」
また、イラン体制による「国家や非国家主体への」ドローンを含む武器供与などの「中東内外に不安定をもたらす活動」を批判した。「そのような拡散は地域の不安定化要因であり、既に高まっている緊張をさらにエスカレートさせるものである」
イランでは、クルド人女性マフサ・アミニさん(22)がヒジャブの着け方に「慎みが足りない」として道徳警察に拘束され9月16日に死亡した後、全国的デモが勃発した。
デモ参加者の多くは女性であり、抗議としてヒジャブを外したり人々の前でで自分の髪を切ったりしながら、イランの最高指導者アリー・ハメネイ師の退陣を要求している。
治安部隊は残酷な弾圧で対応している。反体制グループによると、これまでにデモ参加者500人以上が死亡、少なくとも2万5000人が逮捕されている。
4日も、パキスタンおよびアフガニスタンと国境を接する貧困州であり騒乱の温床となっているスィスターン・バルーチェスターン州のザーヘダーン、ハーシュ、サラーバーンなどの都市でデモが続いていた。
ハーシュの政府施設を襲撃し自動車に火をつけるなどしたデモ隊に対して治安部隊が発砲し数人が負傷した。
ハーシュでのデモの後に撮影されオンラインに公開された動画には、燃やされた銀行、損傷を受けた店舗、建物から黒い煙が立ち上る様子が映っている。
ザーヘダーンの高位聖職者モラヴィ・アブドルハミド師は金曜礼拝の際、国民が望むものを明らかにするために国民投票を実施するよう体制指導部に求めた。
「あなた方は国民と共に問題を解決すべきだ。かつてあなた方に正統性を与えてくれたのは国民なのだから」
「今、大多数の国民が不満を抱えている。そうでないと言うのであれば、国際監視団のもとで国民投票を行うべきだ」
4日、イランの別の地域では、1979年にテヘランで発生した米大使館占拠事件を記念する集会が国の後援により行われた。米国人52人が444日間人質に取られた事件だ。
国営テレビの報道によると、この「世界の傲慢と戦うナショナルデー」には全国で数万人が参加して反米デモが行われ、「米国に死を」という歌が歌われた。
しかし、1979年の革命で権力を握った体制にとって、抗議を抑えつけてきた恐怖を克服した多くの若い国民が率いる現在の反体制デモは最大の挑戦の一つとなっている。