
– イランは、クルド系イラン人女性マフサ・アミニさんの死に端を発した2ヶ月にわたる抗議行動によって揺らいでいる。
– トルコは、イラク領クルディスタンおよびシリア北部の非合法クルド人武装勢力に対して空爆を実施した。
エルビル:イランは日曜日遅く、隣国イラクのクルディスタンに拠点を置くクルド人反体制派に対する新たな攻撃を開始した。
これはイランが、イスラム共和国を揺るがす抗議行動を煽ったとして非難している党派に対する同様の攻撃を行ってから1週間後となる。
イランは、クルド系イラン人女性マフサ・アミニさん(22)の死に端を発した2カ月間の抗議行動に揺れている。
彼女は、同国の女性に対する厳格な服務規定に違反したとの理由で道徳警察に逮捕された数日後、拘留中に死亡したのだ。
イランの「革命防衛隊が再びイランのクルド人政党を砲撃した」とイラク領クルディスタンのテロ対策局が発表したが、死傷者の有無については言及していない。
イラン・クルディスタン民主党(PDKI)は、イラク領クルディスタンの首都エルビル近郊のコヤとジェニカンで、イランがミサイルと自爆ドローンによる攻撃を行ったと述べた。
イランで最も古いクルド人政党であるPDKIは、「これらの無差別攻撃は、イランのテロ政権が(イランの)クルディスタンで継続中のデモを止めることができないときに起こっている」と述べた。
イランのクルド人民族主義者団体「コマラ」は、イラク北部の施設も攻撃対象になっていると述べた。
「私たちの本部は、今夜再びイスラム政権によって攻撃された。我々はこのような攻撃に備えて慎重に準備してきており、現時点では損失はない」とツイッターで述べた。
中東における米国の軍事作戦を監督する米中央軍は、エルビル付近でのイランの「違法」な攻撃を非難した。
マイケル・クリラ中央軍司令官は声明で、「我々は今晩のイランによる国境を越えたミサイルと無人機による攻撃を非難する」と述べた。
「このような無差別で違法な攻撃は、市民を危険にさらし、イラクの主権を侵害し、イラクと中東の懸命に守られてきた安全と安定を危うくするものだ。」
イラク国営通信(INA)も月曜日未明にこの攻撃について報道し、「(イラク領)クルディスタンにおけるイランの3つの野党」に対する「イランのミサイルとドローンによる攻撃」だと言及している。
今回のイランの攻撃は、トルコがイラク領クルディスタンとシリア北部の非合法クルド人武装勢力に対して空爆を行った翌日に行われた。
トルコの攻撃はクルド労働者党(PKK)の拠点を標的にしたもので、トルコ政府は、1週間前にイスタンブールの中心部で6人が死亡し81人が負傷した爆発事件についてPKKによるものだと非難している。
PKKは数十年にわたりトルコで流血を伴う暴動を起こしており、トルコ政府と西側の同盟国によりテロ集団に指定されている。
PKKはイスタンブールの爆発事件への関与は否定している。
イランによる新たな攻撃は、少なくとも1人が死亡したイランによる同様の越境攻撃から1週間もたたないうちに行われた。
イラン政府は、イラク北部に拠点を置くクルド系イラン人反体制派が国内の「暴動」を煽っていると非難し、抗議行動が始まって以来、攻撃を強めている。
イランは9月下旬に攻撃を開始し、イラクの自治区であるクルディスタン地域で十数人が死亡した。
イラク領クルディスタンには、過去にイラン政府に対して武装蜂起を行ったイランのクルド人反体制派が複数存在する。
近年、彼らの活動は下火となっていたが、イランでの抗議行動の波が再び緊張を煽っている。
AFP