
ベイルート: レバノンの有力組織ヒズボラは今月、アイルランド人国連平和維持部隊員を殺害した容疑を持たれている男を引き渡したと、治安当局関係者が日曜日(12月25日)にAFP通信に語った。
12月14日、イランの支援を受けた同組織の拠点であるレバノン南部のアル・アクビア村付近で国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の車両が襲撃され、ショーン・ルーニー二等兵(23歳)が死亡し、3人が負傷した。
UNIFILはレバノンとイスラエルの間の緩衝役として、国境付近で活動を行っている。
「銃撃の主犯は数時間前にヒズボラに引き渡された後、治安部隊に逮捕された」と治安当局関係者は、メディアに発言する権限がないという理由で、匿名を条件に語った。
逮捕された男がヒズボラの構成員であるかは現時点では不明である。
ヒズボラはレバノンの軍情報部による捜査に協力しており、「初動調査はほとんど完了している」と同関係者は述べた。
ある司法関係者は今週、AFP通信に対して、レバノンの捜査当局はすでに襲撃事件の容疑者を特定しており、「少なくともあと2人」の銃撃犯がいると述べた。
司法関係者は、初動調査の結果から武装した男たちを乗せた車両がUNIFILの車両を追跡したことが分かっていると述べ、襲撃は「計画的」であると語った。
ヒズボラは事件への関与を繰り返し否定しており、治安責任者のワフィク・サファ氏はルーニー二等兵の殺害は「意図的ではなかった」としている。
目撃者によると、ルーニー二等兵の車両が通常UNIFILによって使用されていない地中海沿岸の道路を走行していたところ、アル・アクビア村の住民によって通行を妨害されたという。
国連平和維持部隊によると、アル・アクビア村はUNIFILの活動地域のすぐ外側に位置しているという。
車両は鉄塔に衝突して横転し、乗っていた3人が負傷した。
この数年間で、ヒズボラ支持者と国連平和維持部隊員の間で何度か事件が起きているが、エスカレートすることは稀である。
UNIFILはレバノン政府に対して、約8年ぶりに同軍の国連平和維持隊員が暴力的に殺害された今回の事件について、迅速な調査を行うよう要請した。
UNIFILは1978年に、パレスチナによる攻撃への報復としてレバノンに侵攻したイスラエル軍の撤退を監視するために設立された。
イスラエルは2000年にレバノン南部から撤退したが、2006年にはヒズボラおよびその同盟勢力と壊滅的な戦争を行った。
レバノンとイスラエルは、厳密にいえば依然として戦争状態にある。
AFP