
サイード・アル・バタティ
アル・ムッカラー:新イラン組織フーシ派が支配するサヌアのイエメン人ソーシャルメディア活動家らによると、イランの支援を受けた民兵が、ある著名な男性ユーチューバーがソーシャルメディア上で彼らを激しく攻撃した数日後、サヌアの路上でその男性を誘拐した。
イエメンの著名なコメディアン、俳優、ユーチューバーであるアフメド・ハジャル氏は先週、サヌアのアル・ズバイリ通りを散歩していたところ、バスを運転する私服の武装集団に誘拐され、連れ去られたという。行方は分かっていない。
先週末に親族から捜索願が出され、失踪のニュースが広まった。
フーシ派は誘拐の犯行声明を出さなかったが、同派の指導者や支援者はソーシャルメディアで、民衆を運動に扇動したとしてハジャル氏を非難していた。
ハジャル氏の拉致は、同氏への同情とともに、民兵による言論の自由と反対派への弾圧に対する怒りを引き起こした。
ハジャル氏は先週、ユーチューブに10分22秒の動画を投稿し、フーシ派の過剰課税、汚職の蔓延、教育制度の破壊、公務員への給与未払いについて批判していた。
「アンサール・アッラー(フーシ派)よ、イエメン内外のイエメン人は皆、あなた方に抗議している。人々は、あなた方は犯罪者、詐欺師、敗者であり、盗み、略奪、復讐のために(サヌアに)来たと言っている」。ハジャル氏はサヌアの方言を使い、辛辣な調子でこう発言した。
ユーチューブの登録者数21万4000人、Facebookのフォロワー数6万8598人のハジャル氏は、パン屋の店主、タクシー運転手、食料品店の店主、さらには富裕層を含む一般市民から、料金や税金の騙取、飢餓、そして民兵が国民の苦しみに無関心であるという不満に関する訴えがあり、自身に動画の投稿を促されたと述べていた。
「人々は空腹で食べ物を探しながら、一方で子どもの私立学校教育のために十分な貯蓄をしようとしている。あなた方は教育を台無しにした」。同氏はこう述べ、フーシ派に対し、同派の運動に対する市民の反感が高まれば、反乱につながると次のように警告した。「いずれ民衆は爆発する」
この動画は、ユーチューブで8,000以上のコメントと数千の「いいね」を獲得し、他のソーシャルメディアサイトでも広く共有されている。ハジャル氏の親族が同氏の失踪について報告したことにより、さらにメディアや市民の大きな注目を集めることになった。
この誘拐事件により、被害者であるハジャル氏への圧倒的な支援の声が広がった。サヌアの有力者たちも、ハジャル氏を誘拐したことに加え、汚職撲滅、インフレ上昇の解決、公共サービスの改善という国民の要求を無視するフーシ派の行動を非難するようになった。
サヌアを拠点に活動する著名人で、786,00人のユーチューブ登録者を持つアフメド・エラウ氏はフーシ派に対し、汚職と飢餓の拡大を認め、反対意見への迫害を止めるよう要求した。
「彼は国について語り、内政を批判しているのだ」。エラウ氏は、ハジャル氏についてこのように述べた。「彼は真実を語っているにもかかわらず、あなた方はそれを拒絶している」
「人々は飢えている。ヨーグルトを買う余裕もなく、ゴミを食べている人もいる。私たちはもう黙っていない。どうぞ私たちを牢屋に入れ、銃殺してほしい」(エラウ氏)
フーシ派の運動の一部支持者を含むあらゆる階層のイエメン人が、ユーチューバーの誘拐を断罪し、即時解放を要求した。
「この人は1,000人にも匹敵する。我々は全力で彼をサポートしなければならない 」。サダム・アフメド氏は動画にこうコメントした。
イエメン文化省顧問のモハメッド・アル・マフディ氏は、サヌアなどフーシ派支配地域の状況についてハジャル氏が明らかにしたことは、氷山の一角に過ぎないと指摘する。
「この動画は、彼らの支配地域の嘆かわしい現実の一部を示し、人々がフーシ派とその行為を軽蔑していることを表している」。アル・マフディ氏はツイッターでこのように述べた。
他の多くの反対派の人物に対して行っている逮捕と同様に、フーシ派はハジャル氏が拉致されたとは正式に表明していない。それにもかかわらず、ソーシャルメディア上では、フーシ派の信奉者や当局までもが、フーシ派戦士の犠牲を台無しにし、敵対者を援助していると非難し、悪意を持ってハジャル氏を攻撃している。
フーシ派の捕虜交換委員会の代表であるアブドゥルカデル・アル・ムルタダ氏は、フーシ派運動は運動自体とその戦士に対する批判を受け入れないと述べ、ハジャル氏誘拐への関与をほのめかした。
「個人を一般化して恣意的な非難を行い、侵略に抗するイエメン国民の犠牲を嘲笑することは、危険な行為である」。同氏はツイッターでこのように述べた。