
アブダビ:2023年の国連気候変動会議(COP28)議長は、世界最大級の石油会社トップが務めており、同氏は14日、世界のエネルギー需要の加速について警告しながら、排出の抑制に焦点を当てるように促した。
UAE の気候変動特使で大手石油会社のアブダビ国営石油会社(ADNOC)のCEOを務めるスルターン・アル・ジャーベル氏は、再生可能エネルギーなどの解決策とともに、汚染の少ない化石燃料も引き続きエネルギーミックスに含まれると述べた。
「世界がまだ炭化水素を使う限り、できるだけそれらが低炭素となるようにする必要があります」と、アル・ジャーベル氏はCOP議長就任発表の2日後、アブダビで開催されたグローバルエネルギーフォーラムで述べた。
「私たちは脱炭素化の加速、メタンの削減、水素の拡大に向けてエネルギー業界と協力しています。焦点を成長ではなく、排出の抑制に当て続けましょう」
UAEは、石油は依然として世界経済に不可欠であると述べ、炭素回収(主な温室効果ガスである二酸化炭素を燃料の燃焼時または空気中から除去する)のメリットを推進している。
アル・ジャーベル氏は、 11月と12月にドバイでCOP28を開催予定のUAEは、「謙虚さと明確な責任感、大きな緊迫感」をもってこの課題に取り組んだと述べた。
また、同氏は現在80億人の世界人口は、2050年までに97億人に達する見込みであり、「現在利用可能なエネルギーよりも50パーセント多くのエネルギー」が必要になるだろうと述べた。
同氏は「私たちは目標から大きく外れています。世界の平均気温の上昇を1.5度(摂氏)以下に抑えるというパリ協定の重要な目標に対し、世界は遅れを取り戻そうとしています」と述べた。
「この目標を達成するためには、世界の排出量を2030年までに43パーセント削減しなければならないという厳しい現実があります」。アル・ジャーベル氏は、再生可能エネルギーは2030年までに3倍の23テラワット時まで、低炭素の水素製造は2倍必要だと述べた。
また、農業は世界の排出量の3分の1を排出しており、抜本的な改革が必要だと述べた。
「私たちは歴史の転換点にいます。低炭素成長の実現は先のことですが、実現をもっと早める必要があります」と同氏は語った。
AFP