
アラブニュース
ダボス:ヨルダンとイラク両国の首脳が中東地域繁栄のためエネルギー、農業、石油セクターにおけるアラブ世界の協力の深化を呼びかけた。
1月19日、ダボスで開催されている世界経済フォーラムの席上で、イラクのアブドルラティフ・ラシド大統領とヨルダンのビシェル・アル・ハサーウネ首相はヨルダン・イラク・エジプト3か国の協力枠組みが中東全域の経済にとって益となると発言した。
ラシド大統領は、イラクは多年にわたる戦争と内紛、テロを経て、現在は国内で平和と安定を達成するとともに中東のより良い未来に寄与する準備ができていると述べた。
ラシド氏は中東が「外国の干渉なしに内紛を解決することができた」場合、見通しは「明るい」と指摘した。
イラク新政権は新型コロナウイルス感染症パンデミックとインフレ率上昇にあえぐ地域経済発展のための石油・ガスおよび農業プロジェクトの拡大を計画しているという。
だが、それには「投資と契約に関して地域の協力とある程度の国際的支援」が必要だとラシド氏は訴えた。
「我が国は水の供給の大部分を隣接する国々に依存しています。また多くの場合、油田をクウェートやイラン、その他の国と共有しています。したがって、互いに協力する以外の選択肢はありません。もっともイラクは農業や観光、石油・ガス田などに恵まれています」
アル・ハサーウネ首相は、ウクライナ・ロシア戦争によって「ヨルダンは進歩への鍵は集団的行動の基礎を築くことだという信念をさらに強めた」と述べた。
だが一方で、アラブ諸国間の貿易額は「アラブ諸国の貿易額全体の13%以下」という低い水準にとどまっているという。
「地域各国の経済を発展させ、各々が直面する課題に対処するためには、あらゆる相乗効果が不可欠な鍵となります」と首相は続けた。
アル・ハサーウネ首相によると、ヨルダン・イラク・エジプト3か国の協力枠組みは「閉ざされたものではなく、中東のすべての利害関係者が参加できる」
3か国協力枠組みの中心となるのはヨルダン・イラク国境地帯での工業地帯建設と、イラクからヨルダンとエジプトの国境へ石油・天然ガスを輸送するパイプラインの設置である。
アル・ハサーウネ首相は、天然資源の乏しいヨルダンにとって、人的資源を基に地域の近隣諸国との関係を築くことが国家目標の達成に不可欠であったと述べた。
国際通貨基金および他の地域的・国際的機関との協力の下、ヨルダンはインフレ率を4.2%に抑えており、アル・ハサーウネ氏によれば、これは「天然資源の豊富な国を除けば、近隣諸国と比較して低い数字」である。
一方、ラシド氏は民間企業の奨励および金融関連法と銀行業務の規制を時代に合ったものとする必要性を強調した。
中東は相互につながっており、人々の生活の安定に資する作業を優先する必要があるとラシド氏は述べた。