
カイロ:スーダン軍部が、紅海に海軍基地を建設するロシアとの協定の審査を終えたと、スーダン政府関係者2人が11日に明かした。
同基地協定は発効まで、文民政府と立法府の設立及び批准待ちの状態だったという。関係者らの話では、さらなる武器と装備を提供することで、ロシアはスーダンの直近の要望に応えたという。
「我々の懸念はすべて払拭されました。協定に関する軍事面の問題は解消されたのです」と関係者の一人は述べた。
関係者らはそれ以上の詳細については語らず、話の内容が内部情報であるため、匿名を条件に話してくれた。スーダン軍の報道官はコメントを控えた。
またロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は9日、依然として同協定は、今後発足予定であるスーダンの立法機関の批准を要すると述べた。
スーダンは、2019年4月に民衆蜂起によって、長年の独裁者オマル・アル・バシール氏への軍事クーデターが行われて以来、議会不在の状態となっている。また2021年10月の軍事クーデターにより民主主義への移行が早くも頓挫して以来、同国は政治的混乱に陥っている。
2021年12月に表面化したこの協定は、世界各地に海軍を再常駐させようとするロシアの取り組みの一環であり、アル・バシール政権の下で結ばれた。
同協定により、ロシアは最大300人のロシア軍を擁する海軍基地を設置し、同時に紅海の戦略港であるポートスーダンに原子力艦を含む最大4隻の海軍艦艇を保持することができるようになる。
元ロシア空軍司令官ヴィクトル・ボンダレフ氏によれば、この基地は紅海とインド洋におけるロシア海軍の存在を確たるものにし、艦船が同地域に到着するまでの航行時間が短縮されるという。
その見返りとして、ロシアはスーダンに武器と軍備を提供することになっている。協定は25年間継続され、双方が反対しなければ10年ごとに自動延長されることになる。
2021年6月、スーダンの参謀総長であるモハメド・オスマン・アルフセイン将軍は地元テレビ局に対し、スーダンが協定の審査を行うと述べた。
昨年2月、強力な準軍事組織であるスーダン治安部隊の司令官、モハメッド・ハムダン・ダガロ将軍が、モスクワでロシア高官と会談を行った。
一週間に及ぶ訪問を終え帰国したダガロ将軍は、ロシアや他の国が自国の領土に基地を建設しても、スーダンの国家安全保障を脅かすことはないとして、反対はしないと述べた。
「もし、どこかの国が基地を作りたがっていて、それが我々の利益になり、我々の国家安全保障を脅かさないのであれば、ロシアであろうと他の国であろうと、いかなる国とも取引を行うことに問題はない」と述べた。
AP