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ブリンケン米国務長官が初のトルコ訪問で地震被害に対する支援を約束

2023年2月15日水曜日、トルコのカフラマンマラシュ県ビュユクナカル村で倒壊した住宅の横を歩く人々。(AP)
2023年2月15日水曜日、トルコのカフラマンマラシュ県ビュユクナカル村で倒壊した住宅の横を歩く人々。(AP)
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16 Feb 2023 04:02:12 GMT9
16 Feb 2023 04:02:12 GMT9
  • ブリンケン氏は2年以上前に国務長官に就任したが、これが初のトルコ訪問となる
  • バイデン氏は大統領に選出される前、トルコのエルドアン大統領を「独裁者」と称し、彼と距離を置くことを約束していた。

ワシントン:アントニー・ブリンケン米国務長官は大地震発生後の支援について話し合うため、19日にトルコを訪問する。波乱に満ちた外交上の歴史を持つNATO同盟国への彼の訪問はこれが初となる。

ブリンケン国務長官はアメリカが支援物資の輸送に利用したインジルリク空軍基地を訪問し、その後首都アンカラで「アメリカの継続的支援」について話し合う予定だ。15日に国務省のネッド・プライス報道官がこう伝えた。

アメリカの外交トップは、ウクライナの戦争と中国との緊張が焦点となるミュンヘン安全保障会議にも出席し、さらにトルコの歴史的ライバル国でありNATO同盟国でもあるギリシャを訪問する。

アメリカは約200人の救助隊員を現地に派遣し、初回の支援金として8,500万ドルをトルコに寄付し、最も被害の大きい地域に物資を運ぶため、ヘリコプター「ブラックホーク」と「チヌーク」を出動させた。

この訪問は、トルコとその隣国シリアで40,000人近くが犠牲となった2月6日の地震以前に計画されていたものであり、これによりブリンケン国務長官は就任後2年以上を経て初めてトルコを訪問することになる。

ジョー・バイデン大統領は、以前トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領を「独裁者」と称し、彼と距離を置くことを約束していたが、その後大統領に選出された。

しかしそれ以降バイデン政権は、世界的な穀物不足緩和に向けた黒海経由の穀物輸送に関する交渉を含め、トルコが、ロシア・ウクライナ間の仲介役として役に立つとの見方をしている。

バイデン政権はトルコのF-16戦闘機購入要望を支持する考えを表明したが、トルコの人権問題に関する記録や、同国のギリシャに対する脅威といった懸念から、戦闘機売却は議会で阻止されている。

ロシアによるウクライナ侵攻開始以降、中立の方針を転換したスウェーデンとフィンランドがNATO加盟申請をし、エルドアン大統領はこれに対し異議を唱えているが、アメリカは同大統領にこれを撤回するよう促す方法を模索してきた。

エルドアン大統領はトルコ政府がテロリストと見なすクルド人武装勢力を取り締まるようスウェーデンに迫っており、トルコは上記2カ国のNATO加盟を阻む大きな勢力となっている。

これに対し前向きな動きが見られたかに思えたが、ストックホルムのトルコ大使館周辺で行われた抗議活動の中で極右活動家がイスラム教の聖典コーランに火をつけたことを受け、エルドアン大統領はスウェーデンのNATO加盟に対し改めて異議を唱えた。

近年アメリカは、トルコがロシア政府から高度な防空システムを購入したことにも憤慨しており、NATOの主要敵対国が西側の戦闘機に狙いを定めるのを支援することになる可能性があると述べている。

地震発生以降、ギリシャが隣国への支援を行うなかで熱は冷めてきているものの、ブリンケン国務長官が20日のアテネ訪問の際にトルコとの緊張について話し合いが行われることが期待されている。

ブリンケン国務長官は16日のフランクフルト訪問から各国訪問を開始し、その後、ロシアによるウクライナ侵攻1周年の1週間前に開催される年次の首脳会議であるミュンヘン安全保障会議へと向かう。

侵攻1周年前後にアメリカからカマラ・ハリス副大統領を含む多数の当局者がヨーロッパを訪問するが、ブリンケン国務長官はミュンヘンで副大統領と合流する。なおバイデン大統領は、次週にポーランドを訪問する予定だ。

中国の外交担当高官である王毅氏もミュンヘンを訪問すると見られており、ブリンケン国務長官との会談の可能性が取り沙汰されているが、アメリカの当局者は、何も決定していないと述べている。

ブリンケン国務長官は今月初め、アメリカのトップ外交官として4年以上ぶりの北京訪問を予定しており、世界の二大経済大国間の緊張が制御不能な状態に陥るのを防ごうとしていた。
しかしその後、アメリカが本土上空で中国の監視気球を発見しその後撃墜したと発表した後、国務長官は突如訪中を中止した。

AFP

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