
ベイルート:2023年3月16日木曜、レバノン中央銀行総裁が、自身のマネーロンダリングについての調査でベイルートに訪問中の欧州司法代表団の尋問に初めて出席した。
ここ数年で数多くの汚職関連の罪で起訴されているリアド・サラメ総裁について、欧州の複数の国が調査をしている。同氏は1993年からレバノンの中央銀行総裁を務めている。
尋問は当初、15日に行われる予定だったが、サラメ総裁が現れなかった。
司法当局者らがAP通信に語ったところによると、サラメ総裁は尋問に現れず、欧州調査団による尋問でレバノンを代表しているヘレナ・イスカンダル判事が、サラメ総裁、弟のラジャ・サラメ氏、助手のマリアンヌ・ホエイク氏を汚職の罪で起訴し、拘束を命じたという。
また、彼らの資産も凍結された。当局者らは、報道機関に話す権限がないという理由で、匿名を条件に語った。
欧州による調査に加え、レバノンではサラメ総裁に対するその他の法的手続きも進行中である。
2月下旬、ラジャ・ハムシュ検事は3人を公金横領、偽造、不正蓄財、マネーロンダリング、税法違反などの汚職容疑で起訴していた。
欧州司法代表団は現在、約3億3000万ドルのマネーロンダリングについて調査している。司法当局によると、尋問は17日まで行われる予定だ。
レバノンは近代史上最悪と呼ばれる経済・金融危機の真っただ中にある。
2019年10月に始まった経済メルトダウンは、同国の政治家層による数十年にわたる汚職と不始末に根ざしており、人口600万人の小さな国で75%以上の人々が貧困に陥っている。
AP