ラマッラー:21日、20年近く前にイスラエル人入植者が撤収したヨルダン川西岸地区の入植地4ヶ所の再建を可能にする法律が承認されたことを受け、パレスチナの人々は怒りの声を上げた。
21日、ヨルダン川西岸地区およびガザ地区におけるいわゆる「分離法」を覆す法案がイスラエル国会(クネセト)本会議で承認された。
スラエルは2005年、ガザ撤退計画の一環として占領下のヨルダン川西岸地区北部の入植地から入植者を撤収させた。
パレスチナ大統領府のナビル・アブ・ルデイネ報道官は、クネセトの動きは、「パレスチナの全ての領土における全ての入植地を違法とする決議2334号をはじめとする国際的正当性を持つ全ての決議に違反する」ものだと非難した。
また、イスラエル政府は暴力の激化を防ぐための国際的努力を妨害しようとしていると批判した。
さらに、米政権をはじめとする国際社会に対し、イスラエル政府に圧力をかけて国際法や協定に違反する一方的な政策をやめさせるよう呼びかけた。
ファタハ中央委員会のジブリル・ラジューブ書記長はアラブニュースに対し、この法律が成立する前から入植者らはホメシュ入植地に戻ろうとしていたと指摘する。
また、3週間前にアカバで開かれたサミットでの合意を無視しているとしてイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を非難する。
「彼も彼の政府もシャルム・エル・シェイクで開かれたサミットの合意に従うつもりはないようだ。ラマダン中に緊張が高まることは避けられないだろう」
パレスチナのアフメド・マジュダラニ社会開発相は、この法律はイスラエル政府の入植地拡大計画の延長線上にあると述べた。
パレスチナの人々はイスラエル人入植地の拡大を、彼らが1967年から要求している二国家解決にとっての存続の危機と見なしている。
占領下のヨルダン川西岸地区および東エルサレムの150ヶ所以上の入植地には65万人以上のイスラエル人入植者が住んでいるが、国連は国際決議のもとで全ての入植地は違法であるとしている。
元外務庁長官のナセル・アル・キドワ氏はアラブニュースに対し、イスラエルが即座にヨルダン川西岸地区を併合することは明らかだと語る。
「最悪なのは、パレスチナ自治政府がイスラエルと共にアカバとシャルム・エル・シェイクの会談に参加することを受け入れるという政治的態度を取っていることだ。ボイコットし孤立させ、イスラエルと取引しないよう世界に訴えるのではなくだ」
サウジアラビア外務省は、イスラエル占領政府の閣僚がパレスチナおよびその人々に対して行った攻撃的・人種差別的発言を非難・糾弾すると表明した。
同省は声明の中で、イスラエルのベザレル・スモトリッチ財務相の発言を受け入れないというサウジアラビアの立場を確認した。
また、同財務相の発言は真実に反しており、ヘイトスピーチと暴力の拡散を助長し対話努力を損なうものであると非難した。
さらに、アラブ和平イニシアティブに基づいたパレスチナ問題の解決と、1967年の境界線に基づく東エルサレムを首都としたパレスチナ国家の樹立を目指す国際的努力に対するサウジアラビアの支持を改めて表明した。
一方、パレスチナ情報筋によると、エルサレムのシェイク・ジャラー地区で21日、イスラエルの「プライス・タグ(パレスチナ人に対する過激な行動)」集団の過激入植者らがトラック1台と車2台に人種差別的スローガンや六芒星を書きつけ、車5台以上を損傷させた。
同地区に住むアンワル・アル・ジュラニさんは、朝にイスラエル警察が彼の自宅に来て、監視カメラのチェックを要求した後、家族から録画機器を押収していったと話した。
彼が警察から聞いた話では、午前3時に入植者2人が車を損壊させスローガンを書きつけたという。