
カイロ:アラブ連盟は7日、シリアの現政権を再承認した。10年以上に及ぶ資格停止を解き、長年孤立していたバッシャール・アル・アサド大統領をアラブの一員として復帰させることを確約するものだ。
7日からシリアの政府代表団が「アラブ連盟の会合に復帰する」と、同連盟加盟国外相間で全員一致により決定された声明は述べている。
サウジアラビア外相のファイサル・ビン・ファルハーン王子は、カイロの連盟本部で開催された閣僚会議に出席した。
外相たちは「同胞国民の幸福を実現するために、シリア危機の影響に終止符を打ち、シリアの一体性、安全、安定、アラブ・アイデンティティを維持し、シリアをアラブ世界に復帰させることにつながる、同危機の政治的解決に向けた取り組みについて協議し、意見を交換した」と、サウジアラビア外務省はツイッターに投稿している。
#Cairo | Foreign Minister HH Prince @FaisalbinFarhan participates in the Ministerial Meeting on the developments of the Syrian crisis, held at the headquarters of the Arab League. pic.twitter.com/gyirL7gmTH
— Foreign Ministry 🇸🇦 (@KSAmofaEN) May 7, 2023
アラブ連盟のアフマド・アブルゲイト事務総長はテレビで放映された声明の中で、今回の決定によりアサド氏は5月19日に開催予定の同連盟首脳会合に参加できると述べた。これは紛争解決に向けた段階的プロセスの一部であるとも述べている。
「ただし、これはシリア危機が解決したという意味ではない。今回のことをきっかけに、アラブ(諸国)が数年ぶりにシリア政府と連絡を取り合い、あらゆる問題を協議できるようになったということだ」
シリアの加盟資格の回復は、すべてのアラブ諸国がシリア政権との関係を正常化したことを意味しない、ともアブルゲイト氏は述べた。
シリアの連盟への復帰は「問題の終わりではなく、始まりに過ぎない」とも述べ、シリア政権との関係を再開するかどうかはそれぞれの国が決定することだとした。
アラブ連盟評議会は、2023年4月14日のシリア問題を巡るジェッダ会合と、5月1日のシリア問題を巡るアンマン会合で出されたアラブ声明を歓迎した。
同評議会は、シリア危機の「段階的」解決を求めるアンマン宣言の履行をフォローアップするため、ヨルダン、サウジアラビア、イラク、レバノン、エジプト、連盟事務総長で構成される閣僚委員会を設置し、シリア政権との直接対話を継続することも決定した。
シリアのフセイン・アルヌース首相は7日、同国が12年間にわたり「敵が繰り広げた偽情報と歪曲のキャンペーン」の被害者だったと述べた。
7日の協議はシリアの地域的、国際的な「名誉ある地位」を反映している、とも同氏は述べた。
シリア外務省は、「アラブの協力」と、「対話、相互尊重、アラブの共通の利益に基づく効果的かつ建設的なアラブのアプローチ」を求めた。
アサド氏がアラブ連盟首脳会合に出席したのは2010年が最後だ。2013年にドーハで開催された同連盟首脳会合に反体制派の指導者が出席した際には、シリア政権は激しく反発した。
アナリストのファブリス・バランシュ氏は、「シリアの地域的孤立は正式に崩壊した」と述べ、7日の決定をアサド氏にとっての「外交的勝利」と表現した。
4月にファイサル王子は、サウジアラビア当局者として内戦勃発後初めてダマスカスを訪問し、その数日前には、シリアのファイサル・ミクダード外相も同じく初のサウジアラビア訪問を果たした。