
ジェッダ:23日、国連の支援車列がアサド政権が支配するシリア北西部から反体制派の支配地域に入った。今年2月に壊滅的な地震に二度襲われて以降では初めての支援となる。
トラック10台の車列は、政権の支配下にあるサラキブの方向から、イドリブ県で反体制派が掌握するアル・ナイラブに到達。トルコ国境に近い保管施設に向かった。
トラックには「国連食糧計画」の名称とロゴが書かれたバナーが張られている。前回車列が来たのは1月のことだった。
国連人道問題調整事務所は「車列が国連の人道物資を運びながら境界を走行中」だと述べた。
2月6日の二度の地震では、聖戦士集団が掌握しているイドリブ県の地域を含むトルコとシリアの一部が壊滅状態となった。約300万人の人々(その大部分はシリア内戦の難民)がイドリブ県の過激派支配地域に居住している。
バッシャール・アサド政権は23日、政府の支配下地域から反体制派の地域へ人道支援が直接入ることを承認したと述べたが、過激派を率いるアブ・ムハンマド・アル・ジョラニ氏はそのようなルートでの支援を拒否した。
国連がシリア北西部に支援物資を運ぶ場合は、トルコからバブ・アル・ハワ国境検問所経由で実施することが多い。これはシリア中央政府の関与なしに支援を届ける唯一のルートだ。
政権側に立つ中国やロシアが国連安保理で長年圧力をかけた結果、国連が認定する越境は2014年の4件から縮小している。
国連事務総長は2月、アサド大統領が、トルコからバブ・アル・サラマ検問所とアル・ライ検問所を通るルートを開き、3か月の間、反体制派地域に支援を届けることに同意したと語った。
シリアは5月、これら2つの検問所の通行をさらに3か月延長した。検問所はトルコが支援する反体制派によって運営されている。
2011年以降、シリア内戦では50万人以上が死亡し、数百万人が難民となっている。反政府抗議活動への暴力的な弾圧が内戦勃発につながった。ここ数日以内のものも含め、断続的な砲火で死者が出ているものの、ロシアとトルコの両政府が仲介した停戦合意は2020年3月以降、北西部においておおむね守られている。
AFP