
ラバト:人権団体は25日、西サハラ沖の船の転覆で少なくとも5人のモロッコ人が溺死したと発表した。この地域では、欧州へ渡ろうとする移民の渡航が増えている。
22日には、スペインに渡ろうとした移民6人がモロッコ北部沖で溺死したとの発表が当局からあった。
モロッコ人権協会(AMDH)のモハメド・ゼンドア氏は、24日に係争地である西サハラのダフラ付近で船が沈没し、直近の死亡事例につながったとAFPに語った。
「60人ほどが乗った船が、岸から遠くない場所で高波のために転覆しました」とゼンドア氏は述べ、死者が増える可能性に言及した。
今回の事故について、モロッコ当局はまだコメントを発表していない。
アフリカ北西部に位置するモロッコは、スペイン本土や大西洋のカナリア諸島経由で欧州を目指す多くの移民の中継国となっている。
カナリア諸島はモロッコ南部から150km程度しか離れていない。
スペイン領のカナリア諸島は欧州での豊かな暮らしを求める移民を引き寄せており、モロッコやモーリタニア、セネガルなどの沿岸から多くの船が出発している。
欧州南部沿岸でのパトロールによって地中海ルートが大幅に縮小した後、2019年遅くから大西洋を渡ろうとする動きが増え始めた。
モロッコ海軍は、7月10~17日に900人近くの移民を救助したと述べている。その大部分はサハラ以南のアフリカ諸国の出身者だった。
スペインの沿岸警備隊は25日、カナリア諸島沖で移民船を救助し、84人を引き上げたと発表した。渡航中に死亡した男性1人の遺体も発見したという。
AFP