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暴風・洪水で破壊されたリビアの都市で高まるコレラ発生の恐れ

リビアのデルナで発生した洪水による被害地域の様子。2023年9月13日。写真はソーシャルメディアから。(ロイター)
リビアのデルナで発生した洪水による被害地域の様子。2023年9月13日。写真はソーシャルメディアから。(ロイター)
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16 Sep 2023 02:09:30 GMT9
16 Sep 2023 02:09:30 GMT9
  • 国連の援助責任者が健康被害の発生を警告:遺体は汚泥と瓦礫の下に閉じ込められ腐敗

アラブニュース

ジェッダ:洪水に見舞われたリビア東部デルナでは、救助隊が海から流れ着いた、また瓦礫の下で腐敗した数千の遺体への対応に苦慮していることから、コレラ発生の恐れが高まっている。

国連の援助責任者マーティン・グリフィス氏は、リビアでは汚泥や破損した建物に閉じ込められた人々を見つけるための機材や、病気を防ぐための一次医療が必要だと述べた。「優先すべき分野はシェルター、食料、主要な一次医療だ。コレラの心配があり、また清潔な水が不足している」

10日夜、デルナの一帯は洪水に見舞われた。人々が寝ている間に建物全体が倒壊した。

グリフィス氏は、デルナ市長が提案した援助物資を運ぶための海上回廊は地中海に面しているため、実行可能な選択肢になりうると述べた。

「現在、陸路を通じて、デルナから南に逃げている人々を見つけている。彼らは都市から離れ、援助を求めて逃げており、彼らの援助は続ける必要がある」と彼は言った。「しかし、確かに海上の選択肢を追加することは理にかなっている」

世界保健機関(WHO)や他の援助団体はリビア当局に対し、洪水による被害者を集団墓地に埋めることをやめるよう求めた。これは遺族に長期的な精神的苦痛をもたらす可能性があり、また、墓地が水辺にある場合は健康上のリスクとなる。

国連の報告書によると、10日の発生日からこれまでに1000人以上がこの方法で埋葬されたという。

2つのダムが決壊した後の暴風・洪水で最大2万人が死亡し、さらに数千人が行方不明になっている。

「遺体は通りに散乱し、海岸に打ち上げられ、倒壊した建物や瓦礫の下に埋まっている。わずか2時間で、私の同僚の一人がデルナ近くのビーチで200体以上の遺体を数えた」と赤十字のビラル・サブルー氏は語った。

リビア西部トリポリ政府のイブラヒム・アル・アラビ保健相は、地下水は人々の死体、動物の死体、ごみ、化学物質が混ざった水で汚染されていると述べた。「我々はデルナの井戸に近づかないよう呼びかけている」

デルナのワフダ(Wahda)病院の責任者であるモハマド・アル・カビシ氏によると、野外病院は定期的な治療が必要な慢性疾患を持つ人々を治療しているという。同氏は、水を媒介とする病気が蔓延する恐れがあるが、これまでのところコレラ患者は記録されていないと述べた。

「私たちは伝染病を恐れるべきだ」と、60歳のヌーリ・モハメド氏は、崩壊したデルナのコミュニティを支援するために無料のパンを提供しているパン屋で語った。「地下にはまだ死体が埋まっている……死体が臭いを放ち始めている」。

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